統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。
だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。
精神障害を持つ人と共に生きるということは、僕の場合でいえば平穏と悲しみの間を行ったり来たりする生活である。楽しむということはとうの昔に捨て去った。
楽しもうという気持ちなど持たないほうが楽だからだ。
菜時記 長月/癸巳
今回は買い物のほかに自分の歯医者の通院と妻の通院と、予定が詰まっている。
歯医者の時間が普段の買い物の時間と被ってしまうので買物の時間を早めてスーパーの開店時刻に合わせて行くことにする。
しかし何事も早く行動すればいいものかといえば、食料品の買い物に限っていえばそんなことはなく、開店早々に店に入るとまだ品物が揃っていない状態だった。
足りないものはまた後で買うことにして、長ネギは2本で148円、ぶなしめじは相変わらず2個で105円。
キャベツは1/2カットが欲しいのだが、1個売りのものしか置いておらず、これは後で別の店で買うことにする。トマトも同様だ。
地元野菜のコーナーはまだ品物が出揃っておらず、ほとんどの箱が空っぽの状態である。茄子が欲しかったけれども地元野菜のコーナーにはなかったので、通常の茄子を買うことにするが、小ぶりのものが5本で213円だったので、まあそれほど悪くはない。
なんだかんだいってそれなりに買い揃えることができたけれども、このままでは消化不良気味なので少し贅沢に松茸の炊き込みご飯の素を買うことで自分自身を納得させる。
レジで精算して店を出ると、まだ時間が早かったのでいつものとおり、もう一件寄ってから帰ることにする。
次の店では1/2カットのキャベツが73円、5個入りのトマトが258円、そろそろ値段が高くなり始めてきた胡瓜が5本で200円と悪くない買い物をすることができたのだが、レジがものすごく混んでいる。
どの列も並んでいる人数は変わりがないので、レジ打ちが2人体制でテキパキこなしていそうな雰囲気の場所を探すが、そういう場所に限って並んでいる人数が多いので、ここは二番目の候補のレジへと並ぶ。
結果としてはどちらも大した差がなかったので、列としては長いが、テキパキとこなしているレジに並んだほうが気分は良かったかもしれない。
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