リロ・グラ・シスタ

隔月で刊行された詠坂雄二の『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか? 』、『電氣人間の虞』が思いのほか面白かったので、デビュー作である『リロ・グラ・シスタ』も読まないといけないなあと思い、早速書店に向かったのだが、地方の悲しさなのかはたまた昨今の出版事情の悲しさなのか、めぼしい書店を渡り歩いてもどこにも売っていなかった。これはネット書店で頼むしかないかなと思いつつも、何気なく入った小さな書店で見つけたので早速買ったのだが、手に入れた途端に満足してしまってそのまま積読状態にしてしまうのが僕の悪い癖で、それでも半月程度の積読状態でなんとか手を出して読むことにした。
光文社の新人発掘企画「KAPPA-ONE」での応募作で、「KAPPA-ONE」というと石持浅海や東川篤哉を輩出した企画なんだけれども、この企画でデビューした作家は意外と後が続かない作家が多く、相原大輔なんかは期待していたんだけれども、二作目を出して沈黙したままだ。
そういうこともあって、「KAPPA-ONE」にはあまり注目していなかったんだけれども、元本は四色刷りの本だったことを思い出した。しかし文庫はそんな凝った本にはなっておらず、結局紙面の色分けは意味はなかったんだろう。
それとは別に、読み始めて困ったのが主人公たちの言動で、高校生でありながら変に大人びた、それもひねくれた方向に向かった言動をしていることだった。この言動の雰囲気はたがみよしひさの世界にも通じるものがあるけれども、たがみよしひさのほうがセリフのいいまわしにセンスがある。
というわけで、読んでも読んでも主人公たちの言動には読んでいて恥ずかしい気持ちにさせられたのだけれども、校舎の屋上にあった墜落死体の謎はなかなか魅力的で、全体的にはいびつなんだけれども、このいびつさが面白い味を出している。

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