タイトルにもなっているビースターという存在に焦点が当てられる。
ビースターとはようするにカリスマ的な存在で、その存在を意図的に排出するために、この世界に存在している学園の中からその候補になるべく優秀な生徒を選んでいるというのがこの世界の学園の一つの役割なのだ。
主人公レゴシが通う学園は過去においてたくさんのビースターを排出してきたのだがここ数年は選ばれることがない状態で、それは学園長の指導方針の変化による部分が多く、ビースターつまり英雄は作り出すものではなく自然と生まれるものだという考えなのである。
とはいえどもビースターは毎年登場しなければならない。
そこで、ビースターは作り出すのではなく生まれるのだとすれば、1巻の冒頭で起こったアルパカ殺しの犯人を見つけたものがビースターなのではないかという方向へと進んでいく。
ここにきてようやくアルパカ殺しに焦点が当たるのである。いや驚いた。2巻、3巻と物語が進んでいく過程で、アルパカ殺しは物語の駆動だけの存在で、この世界に存在している喰殺事件の一つでしかなく、犯人を見つけるという行為には焦点が当たることなどないのだろうと思い始めてきた頃に突然、物語の中心に舞い戻ってきたからだ。
少しづつ自分が何をするべきかということを自覚し始めた、そして自分の進むべき道をそれが正しいかどうかは別として、見つけたはじめた主人公レゴシがこのアルパカ殺しの犯人と対決をする。
次の巻が楽しみである。
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