『バジーノイズ 2』むつき 潤

前巻で路上ライブを行ったものの、結果としてはそれほどの反響はおこらなかった。
ネット上での評判も同様である。
それでも主人公にとっては大した問題ではなく、あいかわらずシンプルな生活をしてそして自分のために音楽を奏でる。
そんな主人公、清澄のおもいとは裏腹に彼の音楽に惚れ込んでいる潮のほうは次の行動を模索している。
そんななか、もうひとりの人物が物語の舞台に上がってくる。清澄の高校生時代の音楽仲間の陸だった。彼はすでにバンドを組んでいて活動をしているが、そのバンド仲間との温度差の違いに鬱屈した日々を過ごしている。
自己主張しない主人公と、自己主張する陸。
ああこういう形で進んでいくのか。
主人公自身が変わっていくのではなく、いや、主人公自身も変わっていくのだろうけれども、それはおおきな変化ではなく、駆動する人物がされていくのか。
僕はそれほど多くの漫画を読んでいるわけではないのだが、この漫画のなかでの音の表現方法は面白いなあとおもった。
音楽が奏でられている絵の中に、白い丸がいくつも浮かんでいるのだ。そして白い波の線がかぶさる。それは自己主張する音ではない。空間の中に音が存在する。それは白い丸から彷彿させるシャボン玉のように、はかなく、そしてやさしく。
いいなあ、この表現方法は。

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