『BEASTARS 13』板垣巴留

学校をやめて社会人となった主人公レゴシ。
祖父の訪問から祖父と現在のビースターとヤフヤの関係が明らかになったりといろいろと新しい展開になったが、今回はこれまで描かれることのなかった海洋生物の存在があきらかになる。
まあ、当初はそこまで考えていなくって、ここにきてその存在を描くことになったのだろうと思うのだが、この世界における海洋生物の位置づけというのがなかなかおもしろい。
ひょっとしたら最初からこういう設定を考えていたんじゃないのかとさえ思えてくる。
海洋生物たちは輪廻転生を信じていて、だから食べられるということに対してもなんの恐怖も持っておらず、むしろ食べられることによって転生をするのだから食べられてもかまわない、などという、陸上の生物とはまったく異なる死生観を持っているのだ。
主人公のレゴシがこの死生観にふれることによって彼の人生がどのように変わっていくのかはわからないけれども、以前の巻で草食動物が肉食動物に食べられたいという感情を持っているということを描いていたこともあって、この物語の世界は単純ではなくどんどんと複雑な世界となっている。

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