二巻でコンパクトにうまくまとまって完結。
漆原友紀の『蟲師』、あるいは五十嵐大介と似たような肌触りの感覚、といえばだいたいどういう感じの漫画かわかってもらえるだろう。
漆原友紀や五十嵐大介ほどアクが強くないのでかえっておすすめなのかもしれない。
生まれ故郷の小さな島、靑島に教師として帰ってきた主人公。
その島には、いわゆる精霊のようなものが存在しており、島の人々と共存している。しかしその存在を視るあるいは感じることのできる者はごく一部で大多数の人たちはそれが存在していることを理解していながらも視ることはできない。そして主人公は視て、そして触ることのできる側の者だった。
あくまで日常の中に溶け込んだ世界であり、異変が起こるというわけでもない。日々の生活の中で彼らが人間たちとともに共存していく話である。
そこが物足りないと感じるかもしれないが、読んでいるかぎりにおいては物足りなさを感じることはない。
悲劇や悲しみはあるけれども、悪意はそこにはなく、優しさがある。
コメント