ひさびさにバスティアン・ヴィヴェスの新作が出た。
といってもバスティアン・ヴィヴェスは バラックとミカエル・サンラヴィルたちとトリオを組んで『ラストマン』を描いていてこちらの方は日本でも翻訳されているのでまったくのひさびさというわけではないけれども。
個人的にはバスティアン・ヴィヴェスの絵柄というのは『ラストマン』のような話よりもこちらのほうがあっているなあと感じる。
今回は13歳の少年と16歳の少女が過ごす一週間のバカンスの物語で、一本の映画を見たような感覚に襲われる。
年上の女性に憧れる一夏の恋。
主人公が体験する出来事の一つ一つはそんなに大きな出来事ではないのだが、その一つ一つの小さな出来事の積み重ねが、自分も13際の頃にこういう体験をしたかったなあと思わせると同時に実際にはそんなことはなかったけれども自分が体験した架空の少年時代に思いを馳せて切なくさせる。
年上で、なんでも知っていてなんでも経験しているかのような姉のような年上の女の人に出会い、友達となりそしてその人に恋をする。しかしそれは一週間という終わりのある期間の出来事で、別れが待ち受けている。
バスティアン・ヴィヴェスがすごくうまいなあと思ったのはこのラストへの持っていきかたで、終盤でのある出来事とその結果がラストにダイレクトに結びつく。そして最後の一枚の絵だ。
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