Twitterのタイムラインでこの本が面白い、いやミステリマニアならば必読だというツィートが流れていたので、それは読まないといけないなと思って読んでみた。
全6編の連作短編集で、ツィートで流れていたのはその中で2篇目のことだったが、だからといっていきなり2編目から読むなどということなどはせず、1話目から読む。
どの話も基本的には推理作家がいきつけの居酒屋の店員と実現可能なトリックに関して話をするという構図で実際に発生した事件の謎を解く、一部例外もあるけれども、というものではない。
古今東西のミステリ小説を取り上げながらアリバイトリックや密室トリック、さらには叙述トリックにまで踏み込んでいく。さすがに例として作品名を出してしまうようなネタバレは行っていないので、読んだことのあるミステリならば、ああ、あれだなと想像がつくけれども未読だったり、読んだけれども忘れてしまっていたりした場合は、作中で触れられているミステリがなんなのかはわからない。もちろんわからなくっても問題はないけれども、読んでみたくなってもなんの本なのかわからないのでその点ではもやもやとしてしまう。
それはさておき、ミステリマニアは必読と流れていた二編目。密室トリックの理論編なのだが、カーの『三つの棺』について語られている。『三つの棺』といえば作中での密室講義だ。そしてこの物語ではこの密室講義に対して新たな視点からこれを語りなおしている。
うーん、たしかにこれはこういう視点からこの密室講義を取り上げた人というのは今までいなかったんじゃないのか、と思わされる。
カーの『三つの棺』を読んで、密室講義にあれこれ思いをはした人ならば読んでみる価値はあるんじゃないか。
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