ようやく読み終えた。
別につまらなかったというわけじゃないんだけれども、「空の都の神々は」と同様、ジェミシンの文章はどこか僕には合わない部分があってそれで一気に読むということができずに、少しづつ読んでいったらこんなにも時間がかかってしまった。
あとはヒューゴー賞受賞ということでSFだと意気込んで読んでいったらわりとファンタジーよりだったせいもある。もちろんSFじゃないなんて言うつもりはなく、ジーン・ウルフの<新しい太陽の書>シリーズに似ている感じもするので、まあそういうことかなと。
三人の女性の視点からなる3つの物語が平行して語られるのだけれども、なかなか全貌が見えてこない。もちろんそれはそれで構わないけれども、その一方でもどかしさもある。そもそも三人の中で一番年齢の高い女性のパートでは「あんた」と二人称語りで語られてこれがずっと後を引く。この二人称語りが何を意味するのかと。
とまあそんなこんなで読んでいくと少しずつこの物語の世界があきらかになっていくけれども同時に謎も増えていく。のだが、終盤になって3つの物語の関係が並列ではなく直列だったことが明らかになったところで俄然と面白くなるのだが、残念なことにそこで物語は終わってしまう。
謎はまったく解き明かされないままで次巻に続くので、そう考えるとよくまあヒューゴー賞受賞したなあと思う。
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