- 著 吉田 篤弘
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2009-01-08
78とはSPレコードの回転数のこと。
といってもSPレコードなんて聴いたこともないしもちろん見たこともない。
僕がレコードで音楽を聴き始めたのは33と1/3回転か45回転のLPレコードとEPレコードの時代になってからだ。
しかし、それでさえ今となっては昔のことで今ではCDやDVDになってしまっている。
ノイズがなくなり音は良くなったし、多少手荒に扱っても平気なのだが、しかし、どこか味気なさが残るのも確かだ。ひょっとしたら単なる懐古趣味なだけなのかも知れないけれども、自分の部屋のレコードラックに並んでいるLPレコードのジャケットを見ると、なんだか聴きもせず、見ているだけなのにそれだけで満ち足りた気分になるのも事実なのだ。
で、吉田篤弘の小説もそんな感じがする。
実際に読むと、期待していたものとは微妙に違うことに違和感を覚えるのだが、それでもしかし、手元に吉田篤弘の小説があるというだけでなんだか満ち足りた気分になるのである。
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