白い果実

白い果実

  •  ジェフリー フォードJeffrey Ford山尾 悠子谷垣 暁美金原 瑞人
  • 販売元/出版社 国書刊行会
  • 発売日 2004-08

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本当ならば三作目が翻訳されたところで一気に読みたかったのだが、国書刊行会のことなので三作目がいつ出るのかわからないし、出たときには一作目が絶版になっている可能性もあるので、根負けして読み始めることにした。
三部作のうちの一作目なのでこの物語の後、どのような展開をしてくのかはわからないが、これ一作だけでも十分楽しかった。観相学が異様に発達した世界、想像していたよりはグロテスクさやビザールさは少なかったのだが、むしろこのくらいで丁度いいんじゃないかと思う程度のビザールさ。
改造されて、コインを入れなければ動かない赤ん坊とか、掘っているうちに自分自身が青い鉱石化してしまう鉱夫たちとか、体の一部を機械化させられて戦う闘士とか、観相学的に顔を手術されたのだが失敗し、見たものに死を与える顔になってしまったヒロインとか、一つ一つはそれほど驚くガジェットではないものの、ジェフリー・フォードの手に掛かるとグロテスクさとビザールさを伴ってなんともいえない奇妙な世界が立ち上ってくるのである。

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