超人類カウル

超人類カウル (ハヤカワ文庫 SF ア 8-1) (ハヤカワ文庫 SF ア 8-1)

  •  ニール・アッシャー/
  • 販売元/出版社 早川書房
  • 発売日 2007-12-14

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まわりを見回してみると評判がいいので面白い話なんだろうけれども、個人的には面白くなかった。
というのも題名にも登場している超人類「カウル」は主役ではなく悪役というかラスボスで、主役はというと事件に巻き込まれてしまう少女ポリーと捜査官タックの二人なんだけど、一緒に行動するのは最初だけで途中から別行動。捜査官タックは暗殺者としてプログラムされたクローン人間ということでさぞかし大活躍するのだろうと思いきや、突然現れた未来人になすすべもなくボコボコにされてしまう。そしてわからないことを未来人に質問しようとすれば、誰がしゃべっていいといったなどといちゃもんつけられて殴られたり、晩飯を採ってこいと魚釣りをさせられたりする始末。こんな状態で、未来人よりもはるかに強いカウルを倒すことが出来るのか不思議で仕方ないのだが、まあ想像の斜め上を行く展開はそれなりに楽しい。
航空機のドッグファイトにおける運動エネルギーと位置エネルギーの概念をそのまま置き換えたかのような時間理論はまあ面白いんだけれども、結局はどれだけエネルギーを注ぎ込めるかという物量戦に終始してしまったので残念。
この半分の分量でまとめてくれたらもっと面白かったのになあ、長すぎるよやっぱり。

コメント

  1. ユキノ より:

    こんにちは。時間モノみたいなので買ったんですが
    積読状態です(^_^;)
    >超人類「カウル」は主役ではなく悪役というかラスボスで
    主人公かと思ってました~。
    結末とかも意外そう。。

  2. 司書つかさ より:

    この半分の長さだったら、もうちょい面白かったのにな、というのは最近のハヤカワSFによくある感想ですよね~(笑)

  3. Takeman より:

    >ユキノさん
    時間モノなんですが、そのあたりはあまり深く考えずに読んだ方がいいかも。
    後半はたしかにむちゃくちゃな展開になります。
    >司書つかささん
    先に小川一水の『時砂の王』を読んでいなかったらもう少し楽しめたかもしれないんですが、先にカウルの半分以下の分量であれだけのものを読んでしまうと、やはりもっとコンパクトにしろよと言いたくもなりますね。

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