ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ

  •  レイモンド・チャンドラー/
  • 販売元/出版社 早川書房
  • 発売日 2007-03-08

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『長いお別れ』を読んだのは二十年以上も昔のことなので、テリー・レノックスとの友情の話といことと、後はT・S・エリオットの詩を論じ合う運転手が登場したことぐらいしか内容を覚えていなく、新鮮な気持ちで読むことがで来ました。
その為、『長いお別れ』とどちらが良いのかなんてのは判断ができないわけだけれども、どちらの訳が生き残るのかといえば、村上春樹は残りのチャンドラーの長編全部を翻訳しない限りは『長いお別れ』の方が生き残りそうな気がする。
今回は新訳であり、なおかつ完訳ということだけれども清水俊二がどのくらい省略して訳したのかは判らないけれども、神は細部に宿るというけれども、省略された細部を楽しもうと思うのであればやはり原著を読むしか無いだろうと思うのです。
そんなふうにちょっと否定的に考えてしまうのも、この話が初期の村上春樹の世界にそっくり、とくに『羊をめぐる冒険』と同じである、というか『羊をめぐる冒険』がこの話と同じ構造であることをあらためて再認識してしまったからで、やはりチャンドラーを訳すのは分が悪すぎたよなあ。
しかし、そんなことは些細なことであって、純粋に物語として楽しむことが出来たのは確かなことだし、『銀河ヒッチハイク・ガイド』が新訳されたとき、「あわてるな」が「パニクるな」になった時ほどの違和感は感じませんでした。

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