- 著 福永 信/
- 販売元/出版社 河出書房新社
- 発売日 2007-04
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『アクロバット前夜』の福永信の新作。
前作はひたすら横書きの文章をページをめくりまくって読む、という読みづらい本だったのだけれども、今回は普通の縦書きの本。
普通の縦書きだから読みやすいのかといえば全然そうではなく、そして読みづらいといっても難解な文章が連なるわけでもなく、平坦な文章が連なっているのであるのだけれども、一行たりとも気を許すことが出来ない。一行読み飛ばしをすればもうそれで何が書かれているのか判らなくなるのだ。
一ページ目では早苗という少女が図書館で本を読んでいると隣りに一人の男が座る。今まで男の人と話をしたこともないのに今、いきなり話しかけられれば耳元で声が聞こえるくらいにすぐ近くに男の人がいる。けっこうスリリングな展開になりそうなのだけれども、次のページでは結婚してお腹の中には子供がいる。その次のページに行くと早苗は死んでいて、娘が父親と話をしている。そして四ページ目で父親は謎の失踪をしているのだ。
気を抜けば小説に振り落とされる。そんな感じでもあり、凄いか凄くないかといえば凄いんだけれどもとりあえずこれ以上はこの手の話は読みたくないくらいに疲れてしまった。
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