森見 登美彦著
日本ファンタジー大賞というのはやっかいな賞で、四六版の本としては発行されるのだけれども、発行が保証されるのはそこまでであって、文庫化されることまでは定かではない。もっとも、他の賞も同じことが言えるのだけれども、日本ファンタジー大賞の受賞作に限っては文庫化される確率が非常に少ない。
出費を抑えるために文庫化されるのを待ってから読もうなどというつもりでいると、死ぬまで待ち続ける可能性もなきにしもあらずで、それだったならば文庫化されるのを待たずに読めばいいのだけれども、そうはいかないのが貧乏人の辛いところ。まあそれ以外の方法もなきにしもあらずではあるが、それ以外の方法に関してはここでは触れない。
で、西崎憲の「世界の果ての庭―ショート・ストーリーズ」が文庫化されないのにこちらの方が先に文庫化されたのはやはり知名度の違いなのか、万人受けしやすいのかどうなのかはわからないけれどもなにはともあれありがたいことである。
文庫にして237ページと薄い本であり、さらっと読み終えることができるだろうと高をくくっていたら、いや予想外に時間がかかりましたね、これは。饒舌かつ諧謔とレトリックを尽くした文章は、一字一句たりとも読み飛ばしなどさせんぞとばかりに精読をせまられ、無駄のない文章とはこういうものを指すんだと危うく思わされそうになったりもする。無駄のないというよりも無駄だらけの内容なのだけれども、それがむちゃくちゃ面白いのである。
なにしろ主人公はモンティパイソンの黒騎士並みの無敵さを誇るのだから、これが面白くならないはずがない。
もっとも、この話の何処がファンタジーなのかと問われると、返答に窮する部分もあるが、もてない男の頭の中はファンタジーで満ちあふれているんだよ。
出費を抑えるために文庫化されるのを待ってから読もうなどというつもりでいると、死ぬまで待ち続ける可能性もなきにしもあらずで、それだったならば文庫化されるのを待たずに読めばいいのだけれども、そうはいかないのが貧乏人の辛いところ。まあそれ以外の方法もなきにしもあらずではあるが、それ以外の方法に関してはここでは触れない。
で、西崎憲の「世界の果ての庭―ショート・ストーリーズ」が文庫化されないのにこちらの方が先に文庫化されたのはやはり知名度の違いなのか、万人受けしやすいのかどうなのかはわからないけれどもなにはともあれありがたいことである。
文庫にして237ページと薄い本であり、さらっと読み終えることができるだろうと高をくくっていたら、いや予想外に時間がかかりましたね、これは。饒舌かつ諧謔とレトリックを尽くした文章は、一字一句たりとも読み飛ばしなどさせんぞとばかりに精読をせまられ、無駄のない文章とはこういうものを指すんだと危うく思わされそうになったりもする。無駄のないというよりも無駄だらけの内容なのだけれども、それがむちゃくちゃ面白いのである。
なにしろ主人公はモンティパイソンの黒騎士並みの無敵さを誇るのだから、これが面白くならないはずがない。
もっとも、この話の何処がファンタジーなのかと問われると、返答に窮する部分もあるが、もてない男の頭の中はファンタジーで満ちあふれているんだよ。
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