小川勝己〔著〕
わざとやっているのだろうけど本格ミステリとしてみた場合に全てが中途半端。というよりもわざとひねくった使い方をしている。
冒頭の見取り図も、犯人のアリバイ工作も、さらにはもう一人の主役が探偵らしき行動に出たかと思うと…。
本格ミステリのコードをいたる所にちりばめながらも、その使い方が間違っている。そしてその間違いっぷりが読んでいて楽しい。もちろん楽しい部分はそれ以外にもある。主人公はインターネット上で自分のサイトを運営しているのだけれどもある時サイトが荒らされてしまう。掲示板が荒らしにあってしまうのだ。縦書きの本で横書きの掲示板のログを読まされるのは多少の違和感があるのだけれど、「死ね」という言葉で埋め尽くされたページが数ページに渡って書かれている様はなかなか迫力がある。
そうして主人公はネットと現実との二つの世界で人間関係の軋轢にぶち切れ、狂気の世界へと一直線に加速し暴走していくのだが、主人公の行為には全く共感できないのになぜか主人公の暴走っぷりにはある種の爽快感さえ感じさせられる。
主人公の暴走は最後まで描かれはしない。これから始まる殺戮の夜に向けての主人公のセリフで物語は幕を閉じ、主人公に対しての情け容赦ないエピローグへと向かう。
冒頭の見取り図も、犯人のアリバイ工作も、さらにはもう一人の主役が探偵らしき行動に出たかと思うと…。
本格ミステリのコードをいたる所にちりばめながらも、その使い方が間違っている。そしてその間違いっぷりが読んでいて楽しい。もちろん楽しい部分はそれ以外にもある。主人公はインターネット上で自分のサイトを運営しているのだけれどもある時サイトが荒らされてしまう。掲示板が荒らしにあってしまうのだ。縦書きの本で横書きの掲示板のログを読まされるのは多少の違和感があるのだけれど、「死ね」という言葉で埋め尽くされたページが数ページに渡って書かれている様はなかなか迫力がある。
そうして主人公はネットと現実との二つの世界で人間関係の軋轢にぶち切れ、狂気の世界へと一直線に加速し暴走していくのだが、主人公の行為には全く共感できないのになぜか主人公の暴走っぷりにはある種の爽快感さえ感じさせられる。
主人公の暴走は最後まで描かれはしない。これから始まる殺戮の夜に向けての主人公のセリフで物語は幕を閉じ、主人公に対しての情け容赦ないエピローグへと向かう。
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