高橋 豊 / ウィリアム・アイリッシュ
いつもなら素通りしてしまう平台の上に置かれた一冊の本に目が留まりました。先日、「黒い天使」を読み終えたせいなのかもしれません。
ウイリアム・アイリッシュは中学・高校の頃に夢中になったのですが、この本は読んでいませんでした。内容がいわゆる悪女ものでしたから無理もありません、というか中学・高校で悪女ものに興味をしめすのもどうかと思います。
「黒い天使」はコーネル・ウールリッチ名義でしたが「暗闇へのワルツ」はウイリアム・アイリッシュ名義ですが、名義による作風の違いは全くありません。
結構厚い本だったんだなぁと思いながら手に取り、ひょっとしたら悪女ものではないのに悪女ものだと誤解しているかもしれないと、あらすじを確認して、ああやっぱり悪女ものだったと安心してそのまま台の上に戻せばそれで話は終わりとなったのですが、最初のページを開いてしまいました。エピグラフが目に止まります。
ウイリアム・アイリッシュは中学・高校の頃に夢中になったのですが、この本は読んでいませんでした。内容がいわゆる悪女ものでしたから無理もありません、というか中学・高校で悪女ものに興味をしめすのもどうかと思います。
「黒い天使」はコーネル・ウールリッチ名義でしたが「暗闇へのワルツ」はウイリアム・アイリッシュ名義ですが、名義による作風の違いは全くありません。
結構厚い本だったんだなぁと思いながら手に取り、ひょっとしたら悪女ものではないのに悪女ものだと誤解しているかもしれないと、あらすじを確認して、ああやっぱり悪女ものだったと安心してそのまま台の上に戻せばそれで話は終わりとなったのですが、最初のページを開いてしまいました。エピグラフが目に止まります。
音のない音楽が流れ、
踊る人影二つ
そっと寄り添い、
ワルツがはじまる。
「黒い天使」ではあまり感じることの出来なかったウールリッチ節がここにありました。
ページをめくり書きだしの一行が、
陽は輝かしく、空は青く、時は五月、ニューオリンズはまさに天国であった。
です。初っぱなからウールリッチ節全開です。「幻の女」や「喪服のランデブー」の書きだしを読んで興奮したあのころの気持ちがよみがえってきました。頭の中の冷静な自分は、この本はおまえの嫌いな悪女ものだから、読むのは止せと警告をならしているのですが、もう止められません。
全く興味がない内容なのに文章だけで買ってしまった本は、思うにこれが初めてです。
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