タイトルだけを見れば歩く猫、あるいは猫の散歩といった感じでほのぼのとする漫画のようだけれども、中身はそれとは全く正反対、いや多少はその要素もあるけれども、ここでいうウォーキング・キャットはおそらくは『ウォーキング・デッド』をもじったものでもじっただけあってこの漫画にはゾンビが登場する。
未知のウィルスによってゾンビが発生し、そのゾンビに噛まれた人間もゾンビになってしまう。そのウィルスに対してなすすべもなく文明は崩壊し、かろうじて生き延びた人たちはゾンビに襲われる恐怖と戦いながらかろうじて生き延びている。
妻と生き別れになってしまった主人公はふとしたことで一匹の猫と行動をともにする。猫はゾンビにならないのか、いやゾンビになるのは人間だけなのかなど疑問はあるけれどもおそらくはゾンビになるのは人間だけでそしてゾンビが襲うのも人間だけなのだろう。そんな世界で猫は平和だったころとなにひとつ変わることなく自由気ままに行動する。そんな非日常と日常の片鱗というか残滓のようなものが奇妙に同居している。
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