漫画はもっぱら単行本派で雑誌で読むことはしないので『イエスタデイをうたって』の短編が描かれていたことすら知らなかった。
連載そのものはすでに終わって、物語としては完結しているので、そこから短編を描くとなると前日談あるいはスピンオフ、ひょっとしたらその後の話のどれかになるのだが、どれをとっても読んでみると物足りなさは感じてしまうだろうなあという思いはあった。どのくらいのボリュームになるのかは知らないが、こればかりは仕方がない。
で、恐る恐る読んでみると物語はその後の話で、更にはインタビュー等、それ以外のおまけがあったので、全然物足りなさというのは感じなかった。
あらためて『イエスタデイをうたって』の世界に触れてみて、本編の最終回で主人公の二人が全く登場せず、実質的な最終回はその一つ前の話、という構成から今回のエピソードがそのまま地続きで始まるという構成がすごく自然でうまいなあと感じた。
もっとも短編とインタビューだけで一冊にまとまるわけでもなく、単発的に描かれた『イエスタデイをうたって』以外の短編も収録されていて、こちらも面白かった。とくに最後の「夏の姉」がいいなあ。
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