『猫が西向きゃ 2』漆原 友紀

フローと呼ばれる謎の現象が起こる世界。それ以外は今現在の僕たちの世界とまったく同じだ。
しかしこのフローと呼ばれる現象がなんなのかというと少し説明しづらい。
基本的には人あるいは何かの思念の影響を受けて物理的な空間が変化してしまう現象で、それはたとえば、路地裏にそれまでなかった道ができてしまうとか、物体の角がすべて丸くなってしまうとか、そんな現象で、それはそれで不便ではあるけれども、深刻な不便でもなく、さらに時間が経てばもとに戻ってしまうので大抵の場合は、ああちょっと面倒になってしまったなあというレベルで済む。しかし時として困った状況につながる場合もあって、そういう場合はそのフローの起こった原因を探し出して解消させることを仕事としているフロー屋に頼むことになる。主人公はそのフロー屋である。
前作とはうってかわって全体的に明るい。思念が原因となるのだがその思念には人の心の闇の部分がつながっておらず、もちろんそれは今のところというだけでこの先、そういった闇の思念が原因で起こるフローの話も登場するかもしれないが、今の時点ではそんなこともなく、そういった点ではゆるやかに、気軽に楽しむことができる。

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