『七人のイブ 1』ニール・スティーヴンスン

ニール・スティーヴンスンの翻訳が出るなんて久しぶりだなあ。
4分冊で出た『クリプトノミコン』以来なので16年ぶりだ。『クリプトノミコン』はあまり食指が動かず読まなかったので僕としては『ダイヤモンド・エイジ』以来なんだけれども、実を言うとあまりニール・スティーヴンスンは好きではない。そもそも『スノウ・クラッシュ』は買ったまま積読にしてしまったし、『ダイヤモンド・エイジ』も単行本を買って積読にしてしまい、文庫化されたのを買ってようやく読んだくらいで、当時の感想を読んでみるとあまりおもしろいという感想じゃなかった。
とはいえども、紹介文を読む限りでは今回はいきなり月が7つに分裂しまうというド派手な内容。なんで7つに分裂したのかは読んでみなければわからないが、分裂してしまったせいでその破片が地球に降り注ぐことになって人類滅亡の危機。そこで今ある宇宙ステーションを改造していわゆるノアの方舟として生き延びようとするという展開なのだが、これがハードSFだというから興味は湧く。
というわけで、ニール・スティーヴンスンということで不安はあるけれども恐る恐る読んでみると、なるほどという感じだ。どうもニール・スティーヴンスンとは相性が悪いみたいで、面白いと思う部分と面白くないと思う部分がある。
とはいえど、面白くないと思う部分はそれなりにすっ飛ばして読んでも大丈夫そうなので読んでいく。
作中の時代は近未来なので登場する技術もほぼ現代と同じだ。そんな状況ではたして宇宙ステーションでノアの方舟を作ることができるのかという問題と、どのくらいの数の人間を助けるのか、さらには月の破片が落ちるのは5000年ぐらい続くというわけで、宇宙ステーションをそんなにも存続させることができるのかとかいろいろと疑問は出てくる。一巻ではまだ人類滅亡まで後一年というところまでしか描かれないので物語は始まったばかりなのだが、ものすごい力技でねじ伏せてきているなあという話だ。

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