二巻できれいに終わった。
もっと長く続くと思ったのだが、潔く、ひたすら斬って斬って斬りまくって、人体はグロテスクに斬り裂かれ、主人公は復讐という目的に向かって一直線に突き進む。
もっと紙面を費やして深く物語を描くということもできただろうけれども、そうすることで失っていくスピード感のほうを選んだのだろうか。
大東亜戦争終戦直後という混乱した時代を舞台に、小原愼司の絵は精緻でもなくきれいでもないのだが、それ故に臓物が飛び散っても残虐な絵になりすぎず、異質な世界を見せてくれる。
青猫と異名を取るセーラー服を着た少女。殺された家族の復讐のために火男のイレズミをした男たちを探して殺しまくる。一巻で首謀者の正体は明らかになるのだが、二巻のオビに書かれた惹句を見て目から鱗が落ちる思いをした。
そうか、主人公にとっては復讐の相手は憎しみの対象だけではなかったのかと。
そんな複雑な感情の中、二巻ではグロさの他にエロさも見せつけ、なかなかハードなバイオレンス展開をしていくなと思い一方で、終盤の決着の付け方に感心した。
こういう決着の付け方もあったのだな。
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