虚無

職場の同僚と飲む機会があった。
会話の中で、子供の教育費の話題があがった。
僕たち夫婦には子供がいないので、話に参加できるわけでもなく、ただその会話を聞いていただけなのだが、子供がいればいたでいろいろと大変だなあと思うだけでもあった。
運悪く子供に恵まれなかったということそのものは僕は特に思うことはない。妻は時々思いを馳せることがあるのだが、自分が統合失調症であることを思うと、子供がいなくてよかったと考え直すようだ。
子供がいたら妻は統合失調症にならなかったかもしれないし、逆に子供がいるために無理をしすぎて今よりも悪い状態になっていたかもしれない。そんなふうに思うことは時々ある。
でもそれは仮定の話であって、そういうことを考えすぎても仕方がないことでもある。
今を受け入れるしかない。
とはいえども、子供というのは未来でもある。
もちろん、子供のいない夫婦にも未来はある。
しかし、今の妻の状態がこれ以上良くなるのかといえば、良くはならないだろうと考えている。
それは歳を取れば老化が進むということであり、認知症にでもなれば被害妄想も起こりやすくなる。歳を取るということで少しずつ悪くなっていく。
それは仮定の話ではなくありうる想定内の話で、だからそれをどうにかして僕は受け入れていかなければいけない。
しかし、今のところそれを受け入れるだけの余裕もない。
だから未来は考えないことにしている。
僕には未来はなく、未来が無いということはそこから先は虚無であり、そして虚無と立ち向かう勇気もない。

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