出版不況といわれて久しいけれども、本好きの僕にとっては今月に入って出版取次の太洋社が自主廃業の準備に入ったというニュースは少し衝撃的だった。
取次業者が減るということは本の流通が困難になるということでもあり結果として本が出版されなくなるということに繋がる。もちろんすぐさま本が無くなるというわけではないけれども、あまり売れそうもない本は出版することが難しくなるということであり、そういうあまり売れそうもないけれども良い本というのが好きな僕にとっては喜ばしい事態ではない。
光文社文庫『ドゥルシネーアの休日』詠坂雄二
詠坂雄二は『日入国常闇碑伝』が積読のままなので、こちらを買う前に積読の方を読んでおかないといけない。まあどっちを先に読んでも構わないのだけれども。
光文社古典新訳文庫『失われた世界』ドイル
コナン・ドイルの『失われた世界』が新訳で出る。僕が読んだのは鶴書房のSFベストセラーズというシリーズの一冊、塩谷太郎訳のもので、それ以降何度か東京創元社版の『失われた世界』を読もうかと思ったことがあったけれども、一度読んだことがあるからまあいいかとそれっきりになっている。
新潮文庫『天鬼越 蓮丈那智フィールドファイル5』北森鴻
北森鴻が亡くなって久しいがまさか蓮丈那智シリーズが書き繋がれていくとは思わなかった。
ハヤカワepi文庫『キャッチ=22 〔新版〕(上)(下)』ジョーゼフ・ヘラー
高校生のころにこの本を読もうかどうか悩んだ時があって、結局読まなかったのだけれども、その代わりにリチャード・フッカーの『M*A*S*H』のほうは読んでいる。
ハヤカワ文庫SF『スキャナーに生きがいはない コードウェイナー・スミス全短篇1』コードウェイナー・スミス
本家のブログサイトアルファ・ラルファ大通りの脇道はコードウェイナー・スミスの短編から借用してもじったものである。それだけコードウェイナー・スミスは僕が偏愛する作家なので、もちろん買う。
河出文庫『ブロントメク!』マイクル・コーニイ
サンリオSF文庫版の『ブロントメク!』は読んでいるので買うかどうかはわからないけれども、『ブロントメク!』が出るのであれば『カリスマ』のほうも出るかな?
ちくま文庫『なんらかの事情』岸本佐知子
エッセイが面白い作家の一人、岸本佐知子のエッセイなので読んで損はない。
ハルキ文庫『恋するタイムマシン 穂瑞沙羅華の課外活動』機本伸司
忘れ去られていたと思ったけれども課外活動シリーズの新作が出る。
講談社文庫『追憶の夜想曲』中山七里
中山七里も積読にしているものがあるけれども、『追憶の夜想曲』は御子柴礼司シリーズなので読まないわけにはいかない。
講談社文庫『螺旋の底』深木章子
デビュー作が『鬼畜の家』というすさまじい題名だった深木章子の三作目。今のところ順調に文庫化されている。
角川文庫『刑事マルティン・ベック 煙に消えた男』マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー
新訳としてのシリーズ二作目。一作目の『ロセアンナ』が出てから1年半くらい経っていて、ペースとしては遅い感じもするけれども、読む方としてはこのくらいがありがたい。しかしこのペースだと最終作の『テロリスト』が出るのは早くても2023年以降だなあ。
ファミ通文庫『廃皇子と獣の姫君』田代裕彦
復刊した平井骸惚シリーズが一作だけになってしまったのだが、新作のほうは出るようで、ファンとしてはうれしい。
晶文社『マウス 完全版』アート・スピーゲルマン
第二次世界大戦中のドイツ、アウシュビッツの物語を擬人化させた動物を主人公にして描いた作品がめでたく復刊する。
その他、来月の気になる本は今のところこのくらい。
角川文庫『エムブリヲ奇譚』山白朝子
角川文庫『つめたい転校生』北山猛邦
創元SF文庫『非Aの傀儡 〔新版〕』A・E・ヴァン・ヴォークト
ハヤカワ文庫JA『マルドゥック・アノニマス(1)』冲方 丁
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