怪談とミステリというのは昔から相性がいい。
コナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』なども魔犬の呪い伝説という怪談をサスペンスの材料として使っていた。
日本でも古くから怪談とミステリを組み合わせた物語が書かれてきたのだが、やはりなんといっても京極夏彦の存在は大きい。京極夏彦は怪談+ミステリというその領域を整地してでかいマンションを建てて注目を集めたのだ。
で、京極夏彦のデビューがきっかけでメフィスト賞というのが設立されたのだが、そのメフィスト賞から、38回目にしてようやく京極夏彦と同じ怪談とミステリを融合させたミステリを輪渡颯介が書いてデビューした。
で、今回はシリーズ四作目。
扱われている怪談の種類に制限はなく、とりあえず怖い話であればなんでも構わないのでいくらでも書くことができるようにも思えるのだが、作者自身、それほど怪談に執着はないらしく今回はそれほど怪談じみた話ではない。
シリーズ物となるとキャラクター小説的になりがちで、特に長編となるとそうなる傾向が大きいのだが、そいうった面も含めて怪談っぽさは薄いけれども安定しているといえば安定していて安心して読むことができる。
ただ、安心して読むことができるから面白いかといえば必ずしもそういうわけではなく、このままこういう感じで続くのであればこのへんで読むのを止めてもいいかなという気持ちにもなってくる。
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