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フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?

なかなか身につまされる題名である。僕自身もフリーランスなので、他人事ではない。とはいえども、すでに40歳は越えて50代なので、とりあえず40歳の壁は乗り越えている。その点ではまあ一安心といいたいところだが、40歳の壁というのはあくまで壁の一...
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静かな炎天

前作『さよならの手口』で13年ぶりに復活、いや帰ってきた葉村晶シリーズの新作が出た。今回は短編集なのだが、もともと葉村晶シリーズは短編から始まったので短編だからどうのこうのということはまったくない。若竹七海というとコージーミステリ、つまり殺...
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先生とわたしのお弁当 

ここしばらくはファンタジー寄りの物語を書いていた田代裕彦の新作。角川文庫から復刊した『平井骸惚此中ニ有リ』も全五巻全部復刊するかと思いきやあまり売れ行きが芳しくなかったようで一巻のみで終わってしまい悲しいものがあったが、それでも一年に一作ペ...
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パンドラの少女

一人の少女の視点で物語がはじまるのだが、少女が語る少女の日常の様子は異様である。牢獄のような部屋に入れられ、毎日決まった時間に兵士がやってきて車椅子に手足を固定され、頭も椅子に固定され、教室へと連れて行かれる。そこで授業が行われるのだが、そ...
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僕のジョバンニ 2

前巻の終わりが衝撃的な終わり方だったので、二巻ではどういう展開になるのかと期待していたのだが、まあそりゃそうなるだろうなという展開だった。一色まことの『ピアノの森』が天才側から描いた物語であるのに対して、『僕のジョバンニ』は秀才側から描いた...
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ナイルパーチの女子会 柚木麻子

共感できそうもない人物ばかりを登場させて、人と人とのつながりの物語を描いた話だ。主人公は二人の女性。一人は商社会社に勤める栄利子。もうひとりは人気ブロガーの主婦翔子。ともに同年代。一方的にブログを読んで共感しているだけの立場だった栄利子は翔...
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羊と鋼の森 宮下奈都

桜木紫乃の『ブルース』と柚木麻子の『ナイルパーチの女子会』と一緒に買ってしばらく積読にしたままだった。でさてそろそろ読もうかと思いこの三人のどれから読もうかと考えたところで一番重苦しそうな桜木紫乃の『ブルース』を読み、予想外に重苦しくなかっ...
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ブルース 桜木紫乃

ふたりの会話はいつの間にか出会った日に近づいてゆき、莉菜はなによりそれが面白かった。本を読むということはそこに書かれた自分の知らない世界を知ることでもあるが必ずしもそれは知識を増やすということではない。特に小説のような場合、知識を得るという...
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私の少年 4

引き裂かれるかのような別れ方をしてそして2年後。という部分は前巻で描かれているのだが、主人公は同じ職場で働き続けることが困難になり仙台へと飛ばされてしまう。一方で少年のほうは東京での生活が続いているはずだったが、主人公のいる仙台で出会うこと...
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ベアゲルター 3

読む人を選ぶといえば選ぶのだが『無限の住人』を楽しむことのできた人ならば問題ないだろう。バイオレンスとエロスとギャグがほどよく混じり合って、おそらくは沙村広明の特徴がもっともバランス良く組み合わさった作品だろう。今回は正体不明の男と正体不明...
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