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『来世は他人がいい』小西 明日翔

『春の呪い』でデビューした小西明日翔の二作目。今回も前作と同様、男女の恋愛の話なんだけれども、これがまったく違う方向の話で驚いた。主人公たちは、東京と大阪、それぞれ住む場所は離れているけれどもお互いに極道の孫という設定。当人の知らないところ...
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『保健室のアン・ウニョン先生』チョン・セラン

知らない作家だったけれども、書店で見かけてこれはひょっとしたらと思い買って読んでみたらひょっとした。大正解だった。韓国の高校を舞台としてその高校で養護教師として働いているアン・ウニョンの事件簿。日本でいえば保健の先生にあたるのだが、韓国の場...
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『九龍ジェネリックロマンス 1』眉月 じゅん

九龍城を舞台とした物語というだけしか予備知識もなしに読んだけれども、どこかで前作『恋は雨上がりのように』と同じく恋の話なんだろうと思いこんでいた。それはタイトルに「ロマンス」とついているからだという部分もあるけれども。物語が始まって早々、ほ...
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『たまご他5篇 光用千春作品集』光用千春

『コスモス』が面白かった光用千春の短編集だけれども、その面白さは『コスモス』以上だった。短編なのでそこで描かれている題材はバラエティ豊かなのだが、なんだろう、どれも同じという感じがする。いやそれは悪い意味ではなく、描かれているテーマが統一さ...
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『ケムリが目にしみる 1』飯田ヨネ

タイトルと表紙で面白そうだなと思って買ってみた。主人公は20代後半のとある企業の総務部で働く女性。仕事にたいする不満はそれほどなく、彼氏はいないけれども一人暮らしの生活はそれなりに楽しい。そんな彼女の密かな憩いはタバコ。朝、目が覚めるとまず...
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『とにかくうちに帰ります』津村記久子

切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたいこの一文を見かけてもうこれは買うしかないと思った。僕の守備範囲外でもあったので津村記久子はいままで読んだことがなく、この先も読む機会があるかどうかはわからなかったが、読むことに不安はなかった。読...
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『あした死ぬには、2』雁 須磨子

僕が自分の死を意識し始めたのはいつのころだろうか。小学生の頃はノストラダムスの大予言を信じていたので、自分は30代半ばで死ぬんだろうなあと思っていたが、小学生にとっての30代というのは気の遠くなるような未来だったのでそんなに深刻にはならなか...
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『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース

半年後に小惑星が地球に衝突する。回避する手段はない。そしてその結果、人類は滅亡するかもしれない。もちろん衝突した側の反対側にいれば助かるかもしれないが、地球の気候は大幅に変動するし文明も維持することは困難で、仮に衝突の瞬間を生き延びたとして...
Vie simple

来月の気になる本

創元SF文庫『鳥の歌いまは絶え』ケイト・ウィルヘルム創元SF文庫『キャプテン・フューチャー最初の事件』アレン・スティール中公文庫『ほのぼの路線バスの旅』田中小実昌竹書房文庫『堕地獄仏法/公共伏魔殿』筒井康隆講談社文庫『銀河鉄道の父』門井慶喜...
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『フライデー・ブラック』ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー

巻頭の「フィンケルスティーン5」が強烈だ。五人の黒人の少年少女がチェーンソーで斬り殺されるという事件が起こる。主人公は黒人の青年で就職活動中。数日後に面接試験の予定が入っているのだが、突然相手側からキャンセルの電話が来る。主人公は毎日の生活...
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