ハルキ文庫

『究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動』機本伸司

このシリーズ、副題に「課外授業」と付いているせいか外伝というイメージがある。主人公の出生の秘密に関わる部分の謎と、それに伴う陰謀めいた部分は単なる外伝というレベルを通り越した物があるけれども、『神様のパズル』にあったようなシンプルな謎という...
新潮社

『メモリー・ウォール』アンソニー・ドーア

人の記憶をカートリッジ型の外部記録媒体に記録し、それを頭に付けたソケットに差し込むことにより自由にインプットすることができるようになった近未来、認知症を患った一人の老女の物語。SFで使われるようなガジェットが登場し、物語の中で他人のカートリ...
ハヤカワ文庫FT

『空の都の神々は』N・K・ジェミシン

何ともいえない不思議な語り口だ。『空の都の神々は』という邦題の付け方も素晴らしい。最初は、ハヤカワ文庫FTというファンタジーのレーベル出たけれども、ローカス賞を受賞して、ヒューゴー賞、ネビュラ賞候補になったのだから実はSFなんじゃないかと思...
創元推理文庫

『大きな森の小さな密室』小林泰三

小林泰三の論理が炸裂する短編集だ。ほとんど全て、対話によってのみ物語が進んでいく。ミステリではあるけれども、そこで起こる事件そのものはそれほど重要でもなく、論理を語る為の手段にすぎない。事件を解決するためにデータを集め論理的な思考を行うので...
漫画

『冒険エレキテ島 1』鶴田謙二

やたらと高かった『漫画BOX AMASIA』という本というかまあ漫画BOXというしかない代物に収録されていた鶴田謙二の長編漫画が単独で単行本化された。この漫画BOXが鶴田謙二の作品だけで構成されていたら買っていただろうけれども、さすがにあの...
ガガガ文庫

『とある飛空士への夜想曲』犬村小六

『とある飛空士への追憶』から派生したスピンオフと思ったら上下巻のボリュームで、対になる作品的な要素と続編的な要素とが混在した、作者がやりたい放題やった的な話になった。物語としてはほとんど何もひねりもなく、陳腐なほどオーソドックスな展開をする...
架空アンソロジー

箱テーマのアンソロジー

以前に、「続編」をテーマにした架空のアンソロジーというものを考えてみたことがあった。その時にもう一つ、おもしろそうなテーマが浮かんだのだけれども、いざ作品を選んでみようとするとなかなか思うような作品が思いつかず、しかも途中で作品リストを紛失...
ハヤカワ文庫SF

『プランク・ダイヴ』グレッグ・イーガン

わかりやすい話からわかりにくい話まで千差万別。エドモンド・ハミルトンの「フェッセンデンの宇宙」のイーガン版ともいえる「クリスタルの夜」は、コンピュータ内で作り上げた人工生命に対する人権という問題を扱いながらも、作中の中ではそんなことお構いな...
角川文庫

『狐火の家』貴志祐介

映画俳優のジム・キャリーは続編に出ないことで有名で、『エース・ベンチュラ』以外の続編には出ていない。『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』は今のところ続編の噂は無いのだけれども、そもそも原作はシリーズ物だ。ジム・キャリーはこの映画の続...
幻冬舎コミックス

『死んだ女は歩かない 3 命短し行為せよ乙女』牧野修

とにかく、無事に最終巻を読むことができてよかった。四つの章仕立てだけれども今回は物語全体の総まとめだけあってこれまで登場してそして生き延びたキャラクターが過不足無く登場しそして活躍する。強い女性が主役というか、強い女性を描くことが目的でもあ...
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