メディアワークス文庫

『パーフェクトフレンド』野﨑まど

天才少女に友達とは何かという問題を与え、そして友達シミュレーターから友達定数などというものをはじき出してしまうあたりや、シミュレーターのパラメータとして個人の趣向といった個人的な要素を友達を形成する上で全く必要無いなどという強引なロジックは...
文春文庫

『たまさか人形堂物語』津原泰水

津原泰水の文章というのは嫌いじゃないしむしろ好きな方なのだけれども、なぜだかすんなりと自分の頭の中に入ってこないのがいつも気に掛かる点だ。それは多分に自分の理解力の無さのせいだろうけれども、津原泰水が全力を発揮したような作品を読んでいる時で...
講談社文庫

『99%の誘拐』岡島二人

岡島二人の最後の作品は『クラインの壷』だが、これは実質的には井上夢人の単独作品といってもいいので、『99%の誘拐』が岡島二人の最後の作品といってもいいのだろう。前にも書いたけれども、僕は岡島二人の作品をほとんど読んでいない。特に、岡島二人と...
評論社

『信ぜざる者コブナント 破滅の種子』ステファン・ドナルドソン

米国のラジオ局が行った、投票によるSF・ファンタジーのベスト100作品の中で『信ぜざる者コブナント』が58位に入っていたのに驚いた。でもっと驚いたのは二部作だと思っていたら2004年から「The Last Chronicles」として第三部...
講談社文庫

『窓』乃南アサ

『鍵』に引き続いて続編の『窓』を読んだ。続編といっても登場人物が共通で、時系列的に前作の後の話というだけで前作のネタバレ的なものもないし、どちらから先に読んでもそれほど困ることはない。前作の題名は二重の意味があったけれども、今回はそこまでの...
講談社文庫

『虚夢』薬丸岳

刑法三十九条。この小説で扱っている問題は非常にやっかいな問題だ。現実に抱える問題だけでも手一杯なのに、さらにこういった問題にまで関わる必要があるのだろうかといえばそんな必要はないだろうと自分でも思う。しかし、心の病に罹ってしまった当事者の家...
双葉社

『本棚探偵の生還』喜国雅彦

日本でも電子書籍が徐々に普及しつつある。本の収納スペースの問題に悩まされつつある自分にとっては、早いところ電子書籍が主流になってくれないかなと思う面もあるのだけれど、なかなか世の中は思うとおりに進んではいない。もっとも、収納スペースの問題が...
漫画

『花ボーロ』岩岡ヒサエ

岩岡ヒサエという漫画家の存在を知ったのが『土星マンション』からだったので、それ以前の作品を読んでいなかった。まあそれほど慌てて読まなくってもいいかとのんびりと構えていたのだけれども、のんびりと構えているうちに初期の本は近所の書店の棚から消え...
文春文庫

『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子

小川洋子の小説を読むのは『博士の愛した数式』以来だ。その時の僕の感想は、小川洋子が作り出した世界の美しさに涙が出た。というものだった。この美しさが小川洋子の作風として備わっている物なのか、それともこの小説に限ってなのかはわからない。しかし、...
漫画

『星を継ぐもの 1』星野之宣

星野之宣は過去にもJ・P・ホーガンの作品を漫画化したことがあって、その時も結構面白い仕上がりになっていた。ホーガンはハードSFの書き手だけれども星野之宣もSF作品を見る限りではハードSFの描き手といえるし、どちらも科学的にきっちりしたハード...
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