ランダムハウス講談社文庫

『ダブリンで死んだ娘』ベンジャミン・ブラック

アイルランドの小説家、ジョン・バンヴィルが別ネームで書いたミステリ。買ってからずっと積読だったのだけれども、続編が出てしまったので慌てて読むことにした。といっても日本じゃジョン・バンヴィルの知名度なんてたかが知れているし、カズオ・イシグロの...
講談社文庫

『増補版 放浪探偵と七つの殺人』歌野晶午

『長い家の殺人』を読んだのはかなり昔のことなので、どんな話だったのか、探偵役の信濃譲二がどんな性格だったのかも忘れてしまった。覚えているのは推薦した島田荘司の言葉ほど凄くはなかったということだけだ。二作目も読まなかったので面白いとまでは思わ...
創元推理文庫

『踊るジョーカー』北山猛邦

長編と比べるとインパクトが薄れてしまうのは短編だからというよりも、世界一気弱で引きこもりがちな人物を探偵に持ってきたせいだろう。気弱で引きこもりがちな友人が推理の才能を持ち合わせていることに気がついた語り手の作家によって、名探偵として活躍さ...
講談社文庫

『風の中のマリア』

主人公はわずか三十日の命。それというのも主人公はオオスズメバチの働き蜂だからだ。オオスズメバチの働き蜂を擬人化して主人公にし、オオスズメバチの生態を描き出す。この本を一冊読めばとりあえずオオスズメバチの生態はわかったような気にはなる。で、な...
光文社文庫

『死体置場の舞踏会』都筑道夫

都筑道夫が亡くなってから八年の月日が経った。作品の大部分は絶版状態なのだが、それでも年に一冊くらいは何らかの形で復刊されているのはファンとしてはうれしいかぎりだ。しかし、ファンといいながら、全ての作品を読んでいるのかといえばそうでもなく、ま...
創元推理文庫

『暗い鏡の中で』ヘレン・マクロイ

短編として発表されたものを長編化したということだけれども、生憎と短編版の方は読んでいない。短編版が収録されている『歌うダイアモンド』は読みたいと思いながらもそのままだ。短編を長編化したものというとダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』...
ピュアフル文庫

『黒揚羽の夏』倉数茂

両親の離婚問題で二週間ほど祖父の元で生活することになった三兄妹がその町で体験するダークファンタジー。一言でいえば天沢退二郎の『光車よ、まわれ』と同じ味わいの小説だ。冒頭に町の地図があるのも嬉しい、それも手書きの地図だ。というかこの手の物語に...
漫画

『ウルトラマン』楳図かずお

楳図かずおが『ウルトラマン』を描いていたことは知らなかった。恐怖マンガ家として有名な楳図かずおがヒーロー物を描くという組み合わせがずいぶんと意外な組み合わせのような気がしたのだが、実際に読んでみると意外ではないことに気がついて驚いた。そもそ...
角川文庫

『ジョーカー・ゲーム』柳広司

刊行された当初、評判になったこの本が文庫化されたので読むことにした。文庫化されてみると280ページ程度の分量だったので薄さにちょっと驚いてしまった。柳広司というと読めば面白い作品を書くけれども、いまひとつ一般受けしない、マニアック、というよ...
漫画

『地上はポケットの中の庭』田中相

積読本が増えてしまうので、あまり興味のある作家は増やさないようにしているのだけれど、漫画の場合は短時間で読むことが出来るので、ついつい買ってしまう。で、また一人、興味が出た作家が増えてしまった。巨大なコガネムシが仲間を助けてもらったお礼に恩...
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