講談社文庫

『ムーミン谷の冬』トーベ・ヤンソン

「おしゃまさん」と「めそめそ」が登場する。アニメの「めそめそ」はしゃべらなかったけれども、こっちはしゃべるし、ムーミンになつくわけではない。しゃべるからには「めそめそ」は、自分が何物であるかという確固たるものを持っていて、そしてムーミンの物...
扶桑社ミステリー

『硝子の暗殺者』ジョー・ゴアス

アメリカ大統領の元に暗殺を予告する手紙が届く。暗殺を阻止するために対策チームが動き出すのだが、そこで白羽の矢が当たったのが、元スナイパーで今は引退してケニアで野生動物の保護活動をしているソーンという男。暗殺を目論む人間が誰であるのかまでは特...
講談社文庫

『浜村渚の計算ノート』青柳碧人

『NUMBERS』というアメリカのドラマがあって、数学で犯罪を解決するという話で興味があったのだけれども、そのドラマの解説書は読んだくせに肝心のドラマのほうは未だに見る機会がないままだった。この本も数学で事件を解決する話なのだが、事件を起こ...
実業之日本社文庫

『やさぐれ 品川宿悪人往来』犬飼六岐

時代小説は滅多に読まない。あまり読書の範囲を広げすぎると積読が増えすぎて収集がつかなくなってしまうというのが理由の一つだ。そんなわけだから、あえて時代小説には注目しないようにしているけれども、たまに気になる作家が出てきたりするので困る。犬飼...
中公文庫

『予告探偵 木塚家の謎』太田忠司

前作はわりと好きだったので続編も読んでみる気になったのだけれども、前作の場合はその一番の仕掛けの部分を除けばわりと普通のミステリでもあったので、謎を解く日時を予知することができるという不思議な能力を持った探偵を再び登場させて、前作並みに驚く...
国土社

『シュリー号の宇宙漂流記』今日泊亜蘭

東京創元社が今日泊亜蘭の『海王星市から来た男』と『縹渺譚』の合本を出すと言ってから数年が経過した。いまだ出る気配はない。どちらも既読なので出ないのであれば出ないであきらめもつくのだが、今回はこれに加えて単行本初収録の連作「浮間の桜」が収録さ...
光文社文庫

『ぼくは落ち着きがない』長嶋有

高校の部活を扱った小説は数々あれども、おそらくもっとも何も活動らしい活動をしない部活を扱った小説なんじゃないかな。いやしかし、図書部は図書の貸し出しや書籍の整理等、立派な活動をしているのだから、活動らしい活動をしないというのは図書部に失礼だ...
筑摩書房

『軽い手荷物の旅』トーベ・ヤンソン

トーベ・ヤンソンの持つある種の意地悪さと冷徹な視点と皮肉さはわりと好きだ。ムーミンの小説を読んでいると、楽しさの中にところどころそういった部分が見えてくる。大人向けに書かれた小説になるとそういった部分がある程度はっきりと現れてくるので、最初...
講談社文庫

『エコール・ド・パリ殺人事件』深水黎一郎

デビュー作の方が先に文庫化されるかとおもったら次作の芸術探偵シリーズの方が文庫化された。受賞作だからといって必ず文庫化されるわけではないのがメフィスト賞なのだけれども、デビュー作の『ウルチモ・トルッコ』も未読なのでいつか文庫化されるといいな...
復刊ドットコム

『続・時をかける少女』石山透

筒井康隆が書いた『時をかける少女』は何度も映像化され、小説の方も版を重ねているのに比べて、NHKの「少年ドラマシリーズ」として放送された『時をかける少女』の続編である『続 タイムトラベラー』のほうは、一回だけノベライズが鶴書房盛光社「SFベ...
タイトルとURLをコピーしました