講談社文庫

『凍りのくじら』辻村深月

ずっと気になっていた本なんだけれども、ようやく読むことにした。辻村深月の本はデビュー作にしろ、その次の作品にしろ分厚いのでちょっと怯んでいたのだ。そのせいで三作目も読むきっかけがつかめずそのままにしていた。で、今回読んでみようという気持ちに...
講談社文庫

『鍵』乃南あさ

講談社文庫でムーミンフェアが始まって、その中のプレゼントの一つである扇子がほしくなったのだが、期間中に読みたい新刊だけを買っても応募点数が貯まるかどうか微妙なところなので、ムーミンフェアの対象となっている講談社文庫を買い始める。乃南アサの『...
日常

ドンブラコン

SFが好きでありながら、ファン活動というものは一切してこなかった。身近なところにSFが好きな人がいなかったわけではないのだが、自分ほどのめり込んでいる人がいなかったせいもあるだろう。しかし、まあ、SF小説を読むことができれば特に問題はなかっ...
日常

死に至る病

人が、死にたいと言うのは、死にたくないという気持ちの裏返しなのかもしれない。何処かで生きていたいという気持ちが存在しているのだ。統合失調症の陰性症状に苦しむ妻は、時として不安定になる。自分に死ぬ勇気があれば今すぐにでも死にたいと僕に言う。勇...
中央公論新社

『蛙鳴』莫言

昔々、僕が仕事を終えて家に帰ってくると玄関に段ボール箱がおかれていた。靴を脱ごうとしたとき、その段ボール箱の中からガサゴソと音がした。恐る恐る中をのぞき込むとそこにはタオルにくるまった一匹の子犬がいた。翌朝、母がとなりの動物病院から一匹もら...
講談社

『虚構推理 鋼人七瀬』城平京

まさか講談社ノベルズで城平京の新作を読むことができるとは思わなかった。『名探偵に薔薇を』で長編デビューしたものの、それ以降は漫画原作者として活躍し、その漫画の小説化はするものの、漫画にかかわらない作品は発表していなかったのでこのまま行ってし...
ハヤカワ文庫SF

『ねじまき少女』パオロ・バチガルピ

読み終えて、あれ、こんな話だったの。と、ちょっととまどいを隠せない。もの凄い陰謀とかもの凄い世界の秘密とかがあるわけではなく、いろんな登場人物達がそれぞれ思惑をもって行動しているさまを読んでいるうちに、かろうじてうまく回っていた歯車が狂いだ...
講談社文庫

『ムーミン谷の夏祭り』トーベ・ヤンソン

ムーミンママがおもちゃの船を作っているところから物語は始まり、そしてそのおもちゃの船で物語は幕を閉じる。そして船という存在が暗示するがごとくムーミン谷は水没し、ムーミントロールとその仲間達は水没した家を抜けだし、水に浮かび漂っていた劇場に移...
創元推理文庫

『プラスチック・ラブ』樋口有介

シリーズキャラクターの柚木草平がちょっとだけ出る短編集だ。数年前から未読のフレドリック・ブラウンのミステリを探し出しては少しずつ読んでいる。東京創元社から出ていたミステリが主体だが、フレドリック・ブラウンのミステリをまだ新刊で買うことができ...
星海社

『星海大戦』元長柾木

田中芳樹の『銀河英雄伝説』っぽい話だ。もっとも、田中芳樹の『銀河英雄伝説』は読んだことが無いので本当に『銀河英雄伝説』っぽい話なのか定かではないけれども、『銀河英雄伝説』を読んだことの無い人間が『銀河英雄伝説』に対して持っているイメージと『...
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