ハヤカワ文庫JA

『天獄と地国』小林泰三

短編集『海を見る人』所収の同名短編と同じ設定同じ登場人物を使った長編なんだけれども、短編の方がどんな内容だったのかすっかり忘れてしまっていた。が、忘れてしまっていても問題はなかった。ハードSF設定でありながら、主人公達はいつもの小林泰三の登...
PHP研究所

『湖のほとりで』カリン・フォッスム

僕が一番読むのは日本人が書いた本で、その次にアメリカ人の書いた本、その次はイギリス人の書いた本という順番になる。言語として見た場合はというと外国語で読むことが出来るほど語学力はないので、外国人の書いた本は全て日本語に翻訳された本になってしま...
講談社文庫

『ムーミンパパの思い出』トーベ・ヤンソン

最初の文庫化では六冊目として出版されたのだが、本国では三冊目として出版されているので、今回の新装版では本国と同じ順番で出版されたこととなる。時系列的には『たのしいムーミン一家』の後の話となるはずだが、今回はムーミントロールがうんと小さな頃の...
イースト・プレス

『音楽の在りて』萩尾望都

萩尾望都の漫画はろくに読んだことがないのに小説の方を読むというのは何か間違っている気もしないでもないけど、そもそも萩尾望都が小説を書いていたことがあったということなど知らなかったので、この本が出るということを知ったとき、萩尾望都が描いたSF...
新潮文庫

『未見坂』堀江敏幸

わたしが初めて読んだ堀江敏幸の小説は『雪沼とその周辺』だった。そこに書かれたひとつひとつの言葉は読むたびに私の体の中にするりと入り、そして静かに消えていく。そんなちょっと不思議な感覚を得る小説だった。小説だけではなく、堀江敏幸が書いたエッセ...
講談社文庫

『たのしいムーミン一家』トーベ・ヤンソン

飛行おにが落とした魔法の帽子は中に入れた物を正反対の物に変身させてしまうという不思議な帽子だった。そんな帽子をとりまくてんやわんやのお話なんだけれども、ムーミントロール達はそれ以上に好き勝手に生きているので不思議と大変なことにはならない。ス...
青心社

『翼の贈りもの』R.A. ラファティ

わたしにとってのラファティは「笑い」の作家であって、それ以外の部分というのは受け入れるだけの素養が無い。しかしラファティは史上最高のSF作家と言われるだけあって彼の作品は「笑い」だけではない。「笑い」は彼のごく一部でしかない。今回の短編集は...
ハヤカワepi文庫

『夜想曲集』カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロはもうちょっと読まなければいけないなと思いつつも、『わたしを離さないで』しか読んでいない。なんとなくだが、まだ読むには早い気がしてならない。読んでも、面白さを理解しきれないんじゃないかと思っているのだ。じゃあ『わたしを離さな...
集英社

『衝撃波を乗り切れ』ジョン・ブラナー

久しぶりにジョン・ブラナーを読む。久しぶりといってもジョン・ブラナーの小説が新しく翻訳されたわけではなく、絶版となった本を手に入れることができたので読むというわけだ。『衝撃波を乗り切れ』は『Stand on Zanzibar』、『The J...
文春文庫

『泣き虫弱虫諸葛孔明〈第2部〉』酒見賢一

酒見賢一が原作を担当し近藤勝也が絵を描いた『D'arc ジャンヌ・ダルク伝』は二巻まで出たところで中断している。今でもひそかに続きが出ることを待ち続けているのだが、多分続きが出ることは無いのだろう。『陋巷に在り』は完結したのだが、完結してか...
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