メディアワークス文庫

『小説家の作り方』野崎まど

小説の書き方でも、小説の作り方でもなく、小説家の作り方だ。二作目の『舞面真面とお面の女』があまり評判がよくないので二作目だけ読んでいないのだが、野崎まどはほぼ一貫して『 アムリタ』と同系統の話を書いている。この先、どこまでこの路線を進み続け...
ホンの話

いつもと同じく、買う

今月は読みたいと思う新刊が少ないといい気になっていたらいつの間にか今月だけで30冊以上もの本を買ってしまっていた。もちろん三分の一近くは未読のままだ。来月も、とりあえずは読みたいと思う新刊が少ないのでなんとか未読を減らしたいところなのだが、...
早川書房

『リトル・ブラザー』コリイ・ドクトロウ

『ソーシャル・ネットワーク』という映画が評判を呼び、日本でも Facebook が流行し始める一方で、エジプトでは Facebook を通じて騒乱が起き、エジプト政府はインターネットの規制を行うけれども、世界中のハッカーたちがその規制を無効...
文藝春秋

『錯覚の科学』C・チャブリス 、D・シモンズ

下に張り付けた映像の中では、白いシャツと黒いシャツを着て二手にわかれた男女六人が互いにバスケットボールをパスしている。あなたは白いシャツを着たチームが何回ボールをパスしたかを数えてみてほしい。ボールをパスしている映像は20秒ほどで終わる。そ...
講談社文庫

『マウス』村田沙耶香

自分の直感だけを信じて買った本だが、今回は当たりだった。まあ、直感というのは無意識における統計処理の結果でもあるので、少なくともその本が面白いかどうかという自分の直感というのは統計処理である以上、当たる確率は高いかもしれないが、その統計処理...
集英社文庫

『鼓笛隊の襲来』三崎亜記

三崎亜記って、不思議な作家だ。たぶん、SF作家だと言ってしまってもいいだろうけれども、SF作家という括りをしてしまってはいけない雰囲気がある。作者が作者だから、作品も作品だ。SF小説と言ってしまってもいいのだろうけれども、なんとなくSFとい...
角川書店

『レヴォリューションNo.0』金城一紀

三年半ぶりの新作。間に『SP』の脚本があったので、寡作な作家であることをを考えれば、まあ順調に本が出ていることに感謝しなければいけないだろう。嫌いな人にしてみればどの作品も嫌いだろうけれども、一度好きになってしまうと、どの作品も外れが無く面...
新潮文庫

『ベルリン飛行指令』佐々木譲

太平洋戦争開戦前夜、英国本土への攻撃を目論むドイツは自国の戦闘機では航続距離と英国の戦闘機の戦闘力の問題で作戦が成功しないことを理解していた。かといって新たな戦闘機の開発には時間がかかる。そこで同盟国である日本が秘密裏に開発した零式戦闘機を...
ハヤカワ文庫SF

『シリンダー世界111』アダム=トロイ・カストロ

読み終えて、ひとつひとつを振り返れば、確かに良くできていると思うのだが、読んでいる最中、ワクワクできたかというとそうでもない。シリンダー世界というハードSF的な世界が舞台となるが、殺人事件の調査がメインなのでリングワールドのような冒険SFに...
メディアワークス文庫

『真夏の日の夢』静月遠火

メディアワークス文庫は時折気になる本が出るのだけれども、実際に読むかどうかというとそこまで踏ん切りがつかない場合が多い。しかし、この本はネット上でなかなか評判が良かったので読んでみることにした。孤島とか、雪で孤立した山荘とかではなく、都会の...
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