ガガガ文庫

『とある飛空士への恋歌 5』犬村小六

ようやく完結した。「ついに」というよりも「ようやく」という方がやはり近いかな。主人公達の住む星の姿というものが口絵付きであきらかにされ、とえりあえず大瀑布が成立するような構造ではあったけれども、だからといって納得できるかといえばそうでもない...
漫画

『食の軍師』泉昌之

泉昌之の『かっこいいスキヤキ』からもう30年も経つのか。たしか、旧スターログの漫画レビューをみて面白そうだなと思い買って読んだのが『かっこいいスキヤキ』との出会いだったと思う。『かっこいいスキヤキ』に収録された、駅弁を食べるのにあれほどのこ...
武田ランダムハウスジャパン

『死刑囚』アンデシュ・ルースルンド& ベリエ・ヘルストレム

ここ数年、SFを重点的に読んでいたので、ミステリーの方がおろそかになっていた。学生のころはSFとミステリーをまんべんなく読んでいたのだが、それでも、SFばかり読む時期とミステリーばかり読む時期と、周期があった。しかし、そういうふうに周期的な...
作品社

『紀大偉作品集「膜」』紀大偉

買ってからだいぶ長いこと積読のままにしていた。もっとも、この本以上に積読のままのものもあるのだから、この本だけ例外というわけでもない。買ってからすぐに読む本と、買ったことで安心してしまい積読になってしまう本、そして買ったけれどもすぐには読む...
早川書房

『SFが読みたい! 2011年版』

座談会が面白い。それは鏡明のスタンスが一貫していて、なおかつ自分自身のスタンスがけっして主流ではない部分があることを自覚しているので、読んでいて信頼できるからだ。あと、どこかなんだか嫌そうに語る部分が何となく好きだ。しかし、『華竜の宮』を読...
早川書房

『生まれながらの犠牲者』ヒラリイ・ウォー

題名からして、読み終えてやるせない気持ちになるのが必至な物語。母親が仕事から帰ってくると、13才になる娘がどこにもいなかった、いつもなら家にいるはずなのに。母親は警察へ失踪届を出す。裏表紙のあらすじを読んで、母親の視点から物語が始まるものだ...
新潮社

『世界終末戦争』マリオ・バルガス・リョサ

読み終えて、ため息が出た。南米といえばブラジルが真っ先に思いつくくせに、ブラジルという国のこと、特に歴史に関しては何も知らなかった。ブラジルが帝国だった時があったことでさえもだ。ラテンアメリカの作家というとマジックリアリズムという印象が強い...
雑文

夢一夜

書店で異様に分厚い本を見かけた。片手ではつかめないほど分厚いのだ。おおおよそ18センチほどあっただろう。タイトルは「フィリップ・K・ディック評論集」、1280ページ程のページ数だ。ディックが書いた評論をまとめたものではなく、ディックの書いた...
朝日文庫

『花はさくら木』辻原登

一昨年買いはしたものの、冒頭の数頁を読んで辻原登の小説でありながら今一つ話に乗ることができなかったので、そのまま積読状態になっていたものを、これではいけないと思い、ようやく読み始めた。読み始めながらも、やはりしばらくの間は話に乗ることができ...
ホンの話

あれこれちょっと考える

トマス・W・ヤングの『脱出山脈』を読み終えて、しばらくの間積読状態だったカレル・チャペックの『絶対製造工場』を読み始める。エリック・マコーマックの『ミステリウム』も読み終えたので、今度はアンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレムの『死刑...
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