文春文庫

ぼくのキャノン

ぼくのキャノン池上 永一著おお、表紙は五十嵐大介ではありませんか。で、池上永一の小説としてはかなりおとなしい話に仕上がっている。登場するオバァは権力は持っているけれども化け物じみた存在ではなく、一人っきりになれば読者に人間らしい弱みを見せる...
創元推理文庫

竜の館の秘密

竜の館の秘密谷原 秋桜子著前作はまあ基本設定の部分の説明も必要だろうから、メインとなる事件そのものが話の中盤過ぎになってから起こるのも仕方ないと思っていたのですが、今回もなかなか事件が起こりません。いや、舞台となる京都へ行くまでがとにかく長...
創元推理文庫

天使が開けた密室

天使が開けた密室谷原 秋桜子著悪くはないんだけど、物足りない。とにかく事件がなかなか起こらなく、いや起こらなくってもそこに至るまでの展開が事件に奉仕していれば構わないんだけれども、基本設定の部分が延々と語られて主人公の日常が繰り広げられるだ...
講談社文庫

ネジ式ザゼツキー

ネジ式ザゼツキー島田 荘司〔著〕「ロシア幽霊軍艦事件」以来、久々に島田荘司を読む。「水晶のピラミッド」で少しがっかりし、「眩暈」で目眩がしそうなくらいがっかりし、「アトポス」で再起不能なくらいがっかりして、それ以来、島田荘司を読むのは止めて...
河出書房新社

最後のウィネベーゴ

最後のウィネベーゴコニー・ウィリス著 / 大森 望編訳コニー・ウィリスと聞いてもあまりワクワクしないのはコニー・ウィリスの小説からあまりセンス・オブ・ワンダーを感じないからで、コニー・ウィリスが駄目というよりも単に自分とは合わない作家だとい...
文春文庫

ららら科學の子

ららら科学の子矢作 俊彦著矢作俊彦というと、私にとっては大友克洋の「気分はもう戦争」の原作者であり司城志朗と合作した「暗闇のノーサイド」の作者であって、いわば冒険小説の書き手でありました。そういうわけですから冒険小説ではない矢作俊彦の作品に...
集英社

時間はどこで生まれるのか

時間はどこで生まれるのか橋元 淳一郎著時間がどこで生まれるのかってのは考えたこともなかったのでかなり刺激的な話でした。それ故に、もう少しつっこんだ話をして欲しいなあと思うのだけれども、新書だし入門編という位置づけでもあるので仕方ないところで...
ハヤカワ文庫SF

ひとりっ子

ひとりっ子グレッグ・イーガン著 / 山岸 真編・訳イーガンの次の短編集は<奇想コレクション>の『TAP』だと思っていたので、突然の出版に驚いたのですが、それ以上に驚いたのが表紙の絵です。まあそれはともかく、中身の方に関しては、今更とりたてて...
光文社文庫

聖い夜の中で

聖(きよ)い夜の中で仁木 悦子著1986年に亡くなられた仁木悦子の遺作短編集の新装版。ここのところ、光文社文庫では高木彬光や土屋隆夫の作品が新装版コレクションシリーズとして出版されているので、今度は仁木悦子かと思ったんだけど、ちょっと違うみ...
漫画

トランスルーセント彼女は半透明(5)

トランスルーセント 5岡本 一広前巻であれだけのエピソードを持ってきてしまっただけあって最終巻はちょっと失速気味。もっとも失速といっても前巻に比べればという意味であるし、むしろ、この巻が最大限に盛り上がる巻だとしてとらえるよりも、事実上の最...
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