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『薄荷少女 5』三浦靖冬

5巻の予告が出てからかなり長いこと時間が経った。連載は追いかけていないので休載が続いたのかと思ったりもしたけれども作者のあとがきを読んで納得した。連載そのものは去年終わったけれども、単行本化の作業が作者の体調不良や災害で遅れてしまっていたと...
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『バジーノイズ 2』むつき 潤

前巻で路上ライブを行ったものの、結果としてはそれほどの反響はおこらなかった。ネット上での評判も同様である。それでも主人公にとっては大した問題ではなく、あいかわらずシンプルな生活をしてそして自分のために音楽を奏でる。そんな主人公、清澄のおもい...
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『ギガタウン 漫符図譜』こうの史代

『ぼおるぺん古事記』『日の鳥』と、ここ数年は漫画らしい漫画から離れていたこうの史代の新作。相変わらず密度が濃いというか、四コマ漫画でありながらキャラクターは鳥獣戯画からとってきたキャラクターを使い、つまり鳥獣戯画で描かれているカエルやウサギ...
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『嵐のピクニック』本谷 有希子

ときどきこういうおかしな、ここでいうおかしなというのは悪い意味ではないのだが、そういう話を書く人がいるので新しい作家と出会うことは楽しい。文庫本にして100ページと少し。その中に13編の短編が収められているけれどもこの本のタイトルである「嵐...
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『蜂工場』イアン・バンクス

イアン・バンクスの『蜂工場』が突然復刊した。僕はイアン・バンクスの良い読者ではなかったので、正直言うとイアン・バンクスの小説を読むのはこれが初めてだ。『フィアサム・エンジン』と『ゲーム・プレイヤー』は積読にしたままだ。国書刊行会から『ブリッ...
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『私たちは塩を減らそう』前田司郎

前田司郎は『夏の水の半魚人』と『恋愛の解体と北区の滅亡』を読んだことがある。去年出た『異常探偵 宇宙船』はそのうち読もう読もうと思いながらまだ読んでいない。そうこうするうちに短編集が出てしまった。書店で目にしてぱらぱらと目次を眺めると「ウン...
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『バイオレンス・アクション3』浅井蓮次/沢田新

情け容赦ない暴力を振るうから恐ろしいわけではない。何を考えているのかわからない、というよりも想像できない形の思考を行っていて、どんなに頭を働かせてもコミュニケーションの糸口すら見つけることが出来ず、会話が成立できないから恐ろしいのだ。どう返...
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『パルプ』チャールズ・ブコウスキー

世の中幼稚園じゃないんだぜ、ジャック。かなり昔に新潮文庫で出た時に買ったもののそのまま積読にしてあった。その頃はブコウスキーなんて好みじゃなかったけれども、それでも買ってしまったのはタイトルが『パルプ』で探偵ものであり宇宙人も登場するという...
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『運命』ロス・マクドナルド

「運命の裁き」を読んだので、続けざまにその長編版『運命』を読んだ。「運命の裁き」は小鷹信光の訳だったが、こちらは中田耕治の訳。どちらが良い、悪いということは言いたくないのだが、小鷹信光の訳のほうが新しいだけあってか読みやすく中田耕治の訳は翻...
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『ミッドナイト・ブルー』ロス・マクドナルド

『象牙色の哄笑』を読み終えたのでその勢いに任せて長いこと積読だったロス・マクドナルドの短編集『ミッドナイト・ブルー』を読んだ。ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーと比べるとロス・マクドナルドは短編が少ない。リュー・アーチャー物の短編...
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