histoire

13・67

香港の歴史を遡るようにして語られる連作短編。どの話も密度の濃いアクロバティックな真相でこれだけでもお腹がいっぱいになるのだが、最終話にはやられた。それまでの設定を手玉に取るかのような構図で、最終話を読み終えると最初の話を読み返したくなるとい...
histoire

我らコンタクティ

僕が小学校に上がったあたりの頃までは、人類は月まで行って月面上を歩いて、そして再び地球まで戻るということを行なっていた。いまは地球の周りを回る程度で、もちろんそれはそれで凄いことなんだけれども、それでも地球以外の星の上を歩くか歩かないかとい...
C’est combien

菜時記 師走/壬戌

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。大きな幸せは望めないし、見つけることも半ばあきらめ...
histoire

息子と狩猟に

妻がある時、動物虐待のニュースを見て憤っていた。何らかの事情で買うことができなくなってしまった犬を里子として引き取った人物が、実は虐待目当てで引き受けていて、引き取った犬を虐待して死なせていたというニュースだ。妻が怒る理由もよく分かる。しか...
Vie simple

来月の気になる本

河出文庫『星を創る者たち』谷甲州河出文庫『英子の森』松田青子河出文庫『ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所』ダグラス・アダムスちくま文庫『田中小実昌ベスト・エッセイ』田中小実昌講談社文芸文庫『藁屋根』小沼丹ハヤカワ文庫JA『日本SF傑作選...
histoire

銃座のウルナ 4

前巻までの戦場とはうって変わって平穏な地での物語。そもそも前巻までの表紙は上下が黒い帯状となっていたのに対してこの巻は青を背景とした表紙。といっても単純な青ではないが青は空であり湖でもある。蛮族ヅードの殲滅戦が終わり、主人公ウルナはその後別...
histoire

しまなみ誰そ彼 2

今回は、女装するのが好きな小学生の男の子が主人公と関わってくる。女装が好きだからといって、必ずしもトランスジェンダー、自分の性別に違和感を感じているというわけでもない。そして男の子が好きなわけでもない。女性ばかりの家で育った彼だが、そのせい...
C’est combien

菜時記 霜月/乙卯

私の人生は7年前から変わってしまった。と妻はいう。それは僕が妻を医療保護入院させた日のことをいっている。しかし、あれから8年経った。妻が7年前といっているのは単なる勘違いでしかないのだが、僕には訂正してあげる勇気はない。それに僕が訂正しよう...
Vie simple

同じ本を二度三度買う

たまにだが、同じ本を買ってしまうことはあるかと聞かれることがある。「ある」と、答えると、思っていたとおりの答えが返ってきたという表情をしてくれるので、こちらも相手の期待通りの返答ができたということで少しうれしくなるのだが、それはともかくとし...
C’est combien

菜時記 霜月/丁未

私の人生は7年前から変わってしまった。と妻はいう。それは僕が妻を医療保護入院させた日のことをいっている。しかし、あれから8年経った。妻が7年前といっているのは単なる勘違いでしかないのだが、僕には訂正してあげる勇気はない。それに僕が訂正しよう...
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