米澤穂信『倫敦スコーンの謎』

小市民シリーズの外伝2冊目。この形ならば延々と書き続けていけるんじゃないかと思いつつも、作中での時間は経過していくのでやはり無理があるか。
時間が経過していくのでそれぞれの話はつながりがないんだけど、緩やかに繋がっているところが心憎い。
ミステリとしては「羅馬ジェラートの謎」が好き。ジェラートを頼んだのに食べようとしない女性を見かけたところから、彼女がなぜ食べようとしないのかその理由を考えるところから、それまでの出来事が一つに繋がっていく様がうつくしい。
さらに最後に控えた毒も、そしてそれを解決させない終り方にしている点も良い。
一方で物語としては「維納ザッハトルテの謎」が良くて、登場人物の人物像が反転してしまうところが良い。

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