誰も支持しない

選挙というたびに思い出す小説があります。
といっても題名も作者も忘れてしまったのですが…
未来のアメリカ大統領選挙の話です。ある年の大統領選挙で候補者の中にある架空の人物の名前が加えられます。どんな名前だったのか忘れてしまったのでここでは仮に「スミス」とでもしておきましょう。
「スミス」の名前を書いて投票した場合、「私はいかなる候補者も支持しない」という意思表示をしたと見なされるのです。この「スミス制度」が導入されたことにより、投票率が跳ね上がりみんなが喜びました。めでたしめでたし。
で、この話が終わるわけではありません。オチは誰でも想像できるように、ある年の大統領選挙でこの「スミス」氏が圧倒的多数の支持を得て大統領に当選してしまった、というのがこの話の結末でした。
この話を思い出すたびに「私はいかなる候補者も支持しない」という選択肢もあっていいのではないかと思ったりもするわけですよ。
それはそうと、投票しに行って、票を入れた人物が落選したりするのを見ると、大抵は何百何千の票差があるわけで、オレが入れても入れなくても落選したじゃないのかと思ったりするわけですが、よくよく考えてみると、いや考えるまでもなく、オレの一票なんて塵芥のようなものだよなぁと思い知らされるのです。そもそも投票所に行って鉛筆で文字書いて終わりなんですから、そんな行為に世の中を変えるだけの価値なんてあるわけないのです。所詮一票の価値なんてそんなものですよ。
まあそれでいいんじゃないですか。選挙のたびに社会が激変していたらたまったもんじゃありません。社会の変化なんて緩やかでいいんですよ。間違った方向に向かおうとしていたら修正できる程度に緩やかに。

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