フアン・ルルフォ『黄金の軍鶏』

まさかフアン・ルルフォの三作目が読めるとは思わなかった。といってもいろいろと書かれているように『ペドロ・パラモ』や『燃える平原』のようなものを期待するとがっかりする。
なんていうか非常に普通で読みやすいし、どんな話なのかちゃんとわかる。映画の原案として書かれたということなのでそのとおりだ。
社会の底辺を生きてきた男が負けてひん死状態の軍鶏をもらい受けたところから始まり、軍鶏が元気になったので闘鶏で金を稼ごうとする。そこに歌姫が登場して、その歌姫がなぜか主人公と行動を共にし始める。ファム・ファタールであり、人生を転落していくわけではなく、逆に幸運に恵まれて金持ちになっていくんだけどどこかノアールっぽさもある。最後は転落するんだけど、それさえも悲惨さというよりも諸行無常っぽさがある。
フアン・ルルフォの初心者向けでもあるけど、その後に控えているのはとんでもない作品なのでフアン・ルルフォの入り口的作品じゃあないよなあ。

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