富士見ファンタジア文庫

煉獄のエスクード RAINY DAY & DAY

煉獄のエスクード貴子 潤一郎物語そのものに設定はてんこ盛りだけれど、盛り込まれた設定はどこかで見たことのあるようなものばかり。そんな場合、たいていはつまらない話になりそうなものだけれども…「解読のために何人もの人間が発狂し命を失った一枚の紙...
ファミ通文庫

荒野の恋

荒野の恋 第1部桜庭 一樹どこか懐かしい気分にさせられるこの文章はいったいなんなんだ。ドロドロとした世界が描かれているのに、読んでいて、まったく不快感はない。不快になる寸前で止め、直接描くことを避けているからだ。男では描くことのできない世界...
新潮社

そこにあるのは物語

ポーの話いしい しんじ宮沢賢治とレイ・ブラッドベリと村上春樹を足して三で割ったような作風とでも言えばいいのでしょうか。「ポーの話」はこれまでにもまして宮沢賢治の比率が高くなってきているようで、寓話性が高いのは相変わらずだけど、教条的になって...
集英社

蒲公英草紙 常野物語

蒲公英草紙恩田 陸「皮肉なものだね。どこに何があるか分からない昔の方が、我々は幸せだったと思わないか?今はどこに何があるか分かっているのに、そのことがますます我々を不安にさせ、心配事を増やしている」予兆の部分を描かせたら抜群にうまい恩田陸の...
ホンの話

終わりなき物語・征服

あるいは、「ヴァンパイヤー戦争を読み切ったよ」とうとう最後まで読み切りました。それにしてもよく人の死ぬ話です。とにかく死ぬ。これでもかというくらい死にます。主人公の仲間になる人間であっても、それなりのエピソードと共に登場しても、登場した巻の...
ホンの話

続・書店にて…

買いました、ええ買いましたとも。天城一の「島崎警部のアリバイ事件簿」。大きな書店とはいえ、新刊すら発売日にまともに入荷しない田舎町の書店で一冊入荷しておりました。こんなマニアックな本、いったい誰が買うんだ。もう少し考えて仕入れなさいといって...
ホンの話

書店にて…

書店で貫井徳郎の「殺人症候群」の文庫を見つけ、その分厚さに途方に暮れてしまいました。前作、前々作と比べて倍近くの厚さです。前作、前々作を読んでいないので、この「殺人症候群」を読むためには「失踪症候群」「誘拐症候群」を読まなければいけなく、非...
ハヤカワ・ミステリ文庫

ミステリは大人の童話

暴徒裁判山本 やよい / Rice Craigクレイグ・ライスのミステリが読める人生は楽しい。小泉喜美子のエッセイか解説で見た記憶がありますが、「ミステリは大人の童話」と言う言葉があります。当時の僕のミステリ史観といえば、密室殺人であり、前...
ホンの話

クドリャフカの順番の詳細決定

『クドリャフカの順番 「十文字」事件』の詳細がようやく決定したようで、作者のページで発表されています。それにしても三年ぶりですか…一時期は続きが出ることさえあきらめ状態でしたから、よくここまで来たものだという気持ちでいっぱいです。「氷菓」と...
光文社文庫

闇に光はあたるのか

赫い月照谺 健二とにかく疲れました。頭も腕も。酒鬼薔薇事件を中心の題材として、その他にこれでもかというほど類似する事件を詰め込んで、さらにそれでも足りないのか、作中作として超越推理小説「赫い月照」までも入れ込んであります。とくに超越推理小説...
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