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『郝景芳短篇集』郝景芳

映像イメージ的に『ダークシティ』を彷彿させた「折りたたみ北京」を書いた郝景芳の短編集。原著から何偏かだけを訳したものなので日本版オリジナル短編集というわけなので、できれば未訳の短編も翻訳してもらいたいところなんだけれども、それはまあ気長に待...
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『生まれ変わり』ケン・リュウ

ケン・リュウの三冊目の短編集。さすがに落ち葉拾い的な部分もあって先の二冊にくらべると少し落ちるかな。といってもそれはSFとしてのぶっ飛び具合という点に関してであって、今回の作品はわりと現在に結びついた話が多い。なので、文句を言ったわりには気...
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『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎

上を向けば涙はこぼれないかもしれない。しかし、上を向くその目には、自分よりも恵まれている人たちや幸せそうな人たちが映る。その瞬間、己の不幸を呪い、より一層みじめな思いをすることになる。バッタには興味はないけれどもネットで面白いと評判になって...
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『田嶋春にはなりたくない』白河三兎

なんとなくなんだけれども、この本のタイトルを見たときに、田嶋春というちょっと性格に難のある変人が日常の謎を解くという話だと思いこんでしまっていた。しかし、白河三兎がそういうオーソドックスなミステリを書くはずもないわけで、少なくとも今のところ...
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半年

妻が二度目の入院から退院して半年が過ぎた。最初の入院のときには医療保護入院だったので、いろいろと大変で、こんなことはもう二度はできないだろうと思っていたし、だからこそ再発はさせたくなかったのだが、僕の力不足、いや、いろいろな僕自身の怠惰や甘...
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『巨星』ピーター・ワッツ

ピーター・ワッツの短編集が出た。ピーター・ワッツというと長編『ブラインドサイト』がなんともすさまじい小説だったのが記憶にある。続編も出たのだが、こちらはまだ読んでいないのも、ちょっと苦手意識というか集中して読まないと何が書いてあるのかわから...
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『緋の堕胎』戸川昌子

戸川昌子というと江戸川乱歩賞を受賞しているのにミステリ作家としての僕の戸川昌子の位置づけというのは官能ミステリの書き手という位置づけだったので若い頃は読むことがなかった。まあ高校生が官能ミステリに興味を持ったとしてもどうなのかとも思うのだが...
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『夢印』浦沢直樹

浦沢直樹の漫画はおもしろいんだけれども、面白いのは中盤くらいまでで、それ以降になると話を引っ張り回しすぎて結末が肩透かしになりやすいのが難点。もっとも中盤以降の話の振り回し具合も楽しめるといえば楽しめるのだけれども、僕からするとそこまでせず...
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『銃座のウルナ 7』伊図透

とうとう完結した。前巻での悲劇的な状況からウルナのこの物語がどういうところに着地するのだろうかと、期待と不安の両方があったけれども、読み終えて満足した。いや満足したというのはこの物語の終わり方にたいして間違っているのかもしれない。知らなかっ...
Vie simple

今月の気になる本

新潮文庫『籠の鸚鵡』辻原登新潮文庫『許されようとは思いません』芦沢央角川文庫『スウィングしなけりゃ意味がない』佐藤亜紀角川文庫『グッド・オーメンズ 上下』 ニール・ゲイマン&テリー・プラチェットハヤカワ文庫SF『伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初...
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