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『五佰年BOX』宮尾行巳

幼馴染の家の倉のなかから見つけた古い木の箱の中は中世の日本と繋がっていた。と書くとその木の箱がタイムトンネルになっていると思うかもしれないが、単純なタイムトンネルではなく、木の箱の中に中世の日本の世界が小さな世界として収まっているのだ。つま...
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『BABEL 1』石川優吾

石川優吾による新解釈、南総里見八犬伝である。作者のインタビューによるとかなり昔から構想はあったらしく、それがようやく実現可能のなったらしい。とはいっても人気がなければ構想半ばで打ち切りになってしまう可能性もあって、どのくらいの規模の構想があ...
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『海街diary』吉田秋生

いや、長かった。といっても悪い意味ではない。なにしろ雑誌連載が隔月刊はおろか季刊でもない4ヶ月に一回というゆっくりとしたペースで連載していたので、一年経っても3話。単行本化する場合でも4話必要なので単行本は一年以上経たないと続きが出ない。も...
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『時間線をのぼろう』ロバート・シルヴァーバーグ

ロバート・シルヴァーバーグの翻訳が止まって久しいのだが、未訳作品ではないものの過去に翻訳された『時間線を遡って』の新訳がでた。翻訳はなんと伊藤典夫であり、タイトルも『時間線をのぼろう』に変わった。東京創元社から出ていたシルヴァーバーグの作品...
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『BEASTARS 10』 板垣巴留

前巻でアルパカ殺しの犯人があきらかにされたが、この巻でもそのほかにいろいろなことが明らかにされる。一番驚いたのはレゴシの祖父の事柄だ。これまで表立って登場したことはなくどんな姿をしているのかも定かではなかったのだが、レゴシと同様ハイイロオオ...
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『暗くて静かでロックな娘』平山夢明

暗くて静かでロックな娘ホラーやグロテスクな物語は好きではないのだが、平山夢明の場合はホラーとかグロテスクといったものだけではないものがあって、それは要するにSF的な部分になるのだが、その部分だけを読むためにそれ以外の嫌いな話も読むということ...
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『BEASTARS 9』板垣巴留

冒頭、いきなり衝撃的な場面から始まる。前巻でアルパカ殺しとの対決をし、結果としてその正体まではわからないままだったのだが、穏やかな学園生活に戻る。そして演劇部の部活動をしながら、その場所がつかの間かもしれないけれどもレゴシにとって居心地のよ...
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『夜行』森見登美彦

森見登美彦の傑作は『きつねのはなし』だと思っている僕は、森見登美彦が『きつねのはなし』以降、同傾向の話をなかなか書いてくれなかったのでやきもきしていたが、ここにきてようやく書いてくれた。そしてオビには10年目の集大成と書かれている。森見登美...
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『錆びた滑車』若竹七海

長編『悪いうさぎ』を最後に終わってしまったと思っていた<葉村晶>シリーズが2014年に13年ぶりに新作が出て、さらにその後、短編集も出て驚いたのだが、さすがにもうしばらくは出ないだろうと思っていたらあっさりと新作が出たので驚いた。しかも今度...
Vie simple

統合失調症と自動車免許

妻の運転免許を紛失してしまった。妻の病状が悪化したとき、妻は断捨離と称していろいろなものを捨てまくっていて、そのときに誤って捨ててしまったのか、それともいらないものと一緒に置いていて、それに気づかずに僕がゴミとして捨ててしまったのか、いずれ...
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