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『屍人荘の殺人』今村昌弘

評判に違わぬ面白さではあったものの、手放しで傑作だったかというと微妙なところで、面白いけれども疑問に思う部分が多少あるというところだ。今回はわりとネタバレ気味に書いてしまう。もっともネタバレといってもこの作品における衝撃的な要素に関してなの...
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『テセウスの船 9』東元俊哉

主人公が過去に戻り、過去に起こった事件を未然に防ぐことによって現在を変えようという点では、三部けいの『僕だけがいない街』を彷彿させる。しかし『僕だけがいない街』では過去に戻ることのできるのは自分の意思とは無関係とはいえども主人公のみだったの...
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『スペクトラルウィザード 最強の魔法をめぐる冒険』模造クリスタル

『スペクトラルウィザード』の続編が出た。前作は基本的に一話完結の話だったので、まあ続きが描かれたとしても不思議ではなかったけれども、タイトルにナンバリングがされていなかったし、お話としてはまとまっていたのでこの物語はこれで終わりだと思ってい...
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『狂気の科学者たち』アレックス・バーザ

最初は買うつもりはなかったけれど、書店でなにげなく手にとってパラパラとめくったら魂の重さを計る実験をしたマクドゥーガル博士のことが載っていたのでちょっと興味がでて買うことにした。以前にマクドゥーガル博士の実験を元にした短編を書いたことがあっ...
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『ユグドラシルバー 1』からあげたろう

『わたしのカイロス』のからあげたろうの新作。前作と基本的な構造は同じで、戦う術を持たない少女が戦う術を持つ者ととともに悪政をしいている支配者に立ち向かうというフォーマットだ。もちろんそれは骨格部分に過ぎないので全く問題ない。前作はSFだった...
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『プラネットガール 1』大石日々

数十光年離れた惑星に有人探査線を送り込むことができるようになった未来。民間の宇宙船造船所もあり、主人公は小さな造船所で技師として働いている。彼の父親は15年前に人類が生存可能と思われる惑星の有人探査線のパイロットとして宇宙に飛び立ちそして消...
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『安楽死を遂げた日本人』宮下洋一

『安楽死を遂げるまで』の続編にあたる。以前に僕が書いた短編小説「Last Vision 未来に花束を」はこの本に触発されて書いた話だ。今回はスイスで日本人として初めて安楽死を行った一人の女性を中心とした、先の本で描かれた以降の安楽死に関して...
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『鬼の又鬼のアモ 1』多田乃伸明

『70億の針』の多田乃伸明の新作。随分と久しぶりだなあと思ったのだが僕が気がつかなかっただけで『70億の針』以降にも二作ほど作品を発表していたようだった。どれもSFなのでそのうち読もうと思っているが、まずは今回の新作のほうだ。今回は表紙の主...
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『大江戸スモーキングマン』大石まさる

大石まさるの新作は時代が未来から過去に。といってもそれはあり得たかもしれないもう一つの過去。江戸時代っぽい時代背景でありながらもスチームパンクな世界でしっかりとSFだ。めずらしく主人公は四国の小藩主のお気楽三男坊と、男である。そんなかれが藩...
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『森の死神』ブリジット・オベール

久しぶりにブリジット・オベールを読みたくなったので古書を探して購入。主人公エリーズはテロに合い、恋人を失ったうえに全身麻痺、目も見えず言葉もしゃべることができなくなってしまった。彼女ができることは聞くこと、そして左手の人差し指をわずかに動か...
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