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『七人のイブ 1』ニール・スティーヴンスン

ニール・スティーヴンスンの翻訳が出るなんて久しぶりだなあ。4分冊で出た『クリプトノミコン』以来なので16年ぶりだ。『クリプトノミコン』はあまり食指が動かず読まなかったので僕としては『ダイヤモンド・エイジ』以来なんだけれども、実を言うとあまり...
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「逆行の夏」ジョン・ヴァーリイ

ジョン・ヴァーリイという作家がいる。新作が翻訳されることもなくなって、特に<ガイア三部作>なんて三部作全部翻訳されたら読もうと思っていたら二作目までしか翻訳されなくって、今でも待ち続けているのだけれども多分永遠に待ち続けることになるだろう。...
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『ありきたりの狂気の物語』チャールズ・ブコウスキー

もらったものを出してセロファンをはがした。チーズに似ていた。チーズのようなにおいがした。一口かじってみた。チーズの味がした。この本に収められた短編において主人公が酔いどれか競馬をやっているか詩人だった場合、殆どにおいてその主人公の名前はブコ...
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『不思議の国の殺人』フレドリック・ブラウン

僕が持っているのは1964年に発行されたもので、栞紐が付いていたころのもの。定価は150円と僕の生まれる前の古い本だ。タイトルから想像できるように、ルイス・キャロルの『ふしぎの国のアリス』を彷彿させる事件が起こるミステリ。フレドリック・ブラ...
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『猫村博士の宇宙旅行』杉谷庄吾

恒星間飛行が可能な宇宙船を開発した猫村博士は宇宙の真理の探究のため宇宙の果まで目指し、地球を出発する。というのは建前で学生時代からひたすら宇宙船開発一筋で女の子と知り合う機会もなかったことから、宇宙を旅してそこで出会った美女たちをあつめてハ...
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『空電ノイズの姫君 2』冬目景

二巻が出てすぐに買ったのはいいが、読むのがもったいなくてしばらく放置していた。しかし、とうとう我慢できなくなって手にとって読んでしまった。バンドのギターとして音楽活動に参加することになった主人公だが、そのことをなかなか父親には言えずに悶々と...
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『人魚ノ肉』木下昌輝

人魚の肉を食べたがために不老不死となった八百比丘尼の伝説がある。高橋留美子も人魚の肉を食べて不老不死となった人間を主人公とした一連のシリーズを漫画として描いている。木下昌輝のこの本は、坂本龍馬や沖田総司といった幕末の志士たちが人魚の肉を食べ...
Vie simple

左利き

左利きで不便だなと思うことは実はほとんどない。というのも生まれてこのかた、世の中のあらゆるものはそういうものだという前提で生きているからで、右利きに合わせた道具に関しても、そもそも最初に使うのが右利き用の道具なので、結果としてうまく使いこな...
Vie simple

来月の気になる本

朝日文庫『メアリー・スーを殺して』乙一 他角川文庫『あひる』今村夏子講談社文庫『クロコダイル路地』皆川博子講談社文庫『盤上に散る』塩田武士光文社文庫『キッド・ピストルズの慢心』山口雅也光文社文庫『殺人は女の仕事』小泉喜美子新潮文庫『スティグ...
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『BEASTARS 11』板垣巴留

ようやく1巻の冒頭で起こったアルパカ殺し、いやアルパカ喰殺事件に決着がつく。一時はアルパカ殺しは物語を駆動させるためだけの装置にすぎず、真相はあきらかにされないまま突き進んでいくのかと思ったりもしたけれど、いろいろな意味で予想外の形で決着が...
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