Vie simple

孵化

我が家はそこそこ田舎なので、窓や扉を開けっ放しにしているわけではないが家のなかにいろいろな虫が入り込んでくる。だからといって慣れるわけでもなく、天井から10cmくらいのムカデがポトリと落ちてきたりするとびっくりする。これがヤスデならばまだ可...
histoire

シリアの秘密図書館

不幸なのは、彼の視野が狭いということだ。僕たちを見ること、ありのままの僕たちを受け入れるのを拒んでいる。まるで違う惑星に暮らしているみたいだ『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』という本がある。第二次世界大戦においてナチス・ドイツは敵対す...
histoire

角の男 1

『兎が二匹』の作者、山うたの新作。今回は1巻とナンバリングされているのでどのくらい続くのかはわからない。いつの時代かはわからない。中国風の文化の世界。この世界には二つの種族がいて、一つは僕たちと同じ人間。もう一つは頭に二つの角を持った人間。...
C’est combien

菜時記 水無月/辛卯

妻が統合失調症を発症し、入院し、そして退院後、一年半程は僕と一緒であればなんとか買い物に出かけることができた。しかし次第に、人目が気になりはじめ、買い物に出かけることが困難になってしまった。だからそれ以降は僕が日用雑貨を含め一週間分の食料を...
Vie simple

来月の気になる本

竹書房『竜のグリオールに絵を描いた男』ルーシャス・シェパード文春文庫『錆びた滑車』若竹七海文春文庫『片桐大三郎とXYZの悲劇』倉知淳新潮文庫『その姿の消し方』堀江敏幸東京創元社『トリフィド時代【新訳版】』ジョン・ウィンダム東京創元社『世界推...
histoire

セツナフリック

少し未来の話。今は存在しない技術が実用化されたという設定のもとに描かれるSF短編集。最初の話は、運というものが数値化され、さらにスマホのアプリによってその運を使うことが可能になった社会の話である。たまに、身近な会話の中で、一生分の運を使い切...
histoire

メタモルフォーゼの縁側 1

3年前に夫を亡くして以来、自宅で書道教室を開きながらも気ままな一人暮らしをしているお婆さん。ちょっと涼みに立ち寄った書店で書店員のおすすめと書かれたPOPをたよりに偶然手にとった漫画にハマってしまう。その漫画はBL物、ボーイズ・ラブ。男の子...
histoire

テセウスの船 3

前巻で時折、真犯人のモノローグが描写されたのだが、依然として犯人が誰なのかということは明らかにされない。明らかにされないまま、主人公は刑事に怪しく思われ、一方で自分の父親からは信頼を得ているのだが、だからといって全てを告白できるわけでもない...
C’est combien

菜時記 水無月/甲申

妻が統合失調症を発症し、入院し、そして退院後、一年半程は僕と一緒であればなんとか買い物に出かけることができた。しかし次第に、人目が気になりはじめ、買い物に出かけることが困難になってしまった。だからそれ以降は僕が日用雑貨を含め一週間分の食料を...
histoire

田中小実昌ベスト・エッセイ

将棋の加藤一二三元名人が引退してからテレビでタレントとして活躍している。引退する前からテレビのバラエティ番組に出ていて人気もあったのだが、定期的にこういうおもしろいおじさんが現れる。昭和の時代だと、田中小実昌なんかもこの系譜に連なるんじゃな...
タイトルとURLをコピーしました