histoire

ブルース 桜木紫乃

ふたりの会話はいつの間にか出会った日に近づいてゆき、莉菜はなによりそれが面白かった。本を読むということはそこに書かれた自分の知らない世界を知ることでもあるが必ずしもそれは知識を増やすということではない。特に小説のような場合、知識を得るという...
ホンの話

新入生のためのひねくれ文学リスト

奇妙な世界の片隅でさんの新入生のための海外幻想文学リスト経由で海外文学読書録さんの新入生のための海外現代文学リスト(2018年版)と漂着の浜辺からさんの学生のための海外文学リスト50+4知って、自分も作ってみたくなりました。といってもすでに...
Vie simple

男たちの知らない世界

ここ数年、僕がよく読んでいる女性作家というと、桜木紫乃、柚木麻子、宮下奈都の三人だ。桜木紫乃以外の作家は必ず読むというわけではないけれども、そもそも僕はあまり作家買いというものをしないので、出た本は必ず買っている桜木紫乃の方が例外中の例外で...
histoire

私の少年 4

引き裂かれるかのような別れ方をしてそして2年後。という部分は前巻で描かれているのだが、主人公は同じ職場で働き続けることが困難になり仙台へと飛ばされてしまう。一方で少年のほうは東京での生活が続いているはずだったが、主人公のいる仙台で出会うこと...
C’est combien

菜時記 皐月/癸亥

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。妻はときおりこんなことを言う。「私のような人間と結...
histoire

ベアゲルター 3

読む人を選ぶといえば選ぶのだが『無限の住人』を楽しむことのできた人ならば問題ないだろう。バイオレンスとエロスとギャグがほどよく混じり合って、おそらくは沙村広明の特徴がもっともバランス良く組み合わさった作品だろう。今回は正体不明の男と正体不明...
histoire

ぼくのミステリ・クロニクル

東京創元社の編集者、戸川安宣の回顧録。なかなかこういうことを書いてくれる編集者というのは少ない、ような気もするが、ミステリやSF方面の編集者の場合はわりと多い気もする。東京創元社に入るまでと入った後と辞めた後と、全部で3つの章に分けられてい...
histoire

恋は雨上がりのように

さえないファーストフード店の中年店長に恋をしてしまった女子高生。彼女は陸上選手だったが怪我で走ることができなくなってしまった。目標を失った彼女の前に現れたのがさえない中年店長。彼女は彼に近づくために彼の店でアルバイトを始める。前巻で、二人が...
Vie simple

来月の気になる本

創元SF文庫『プロジェクト:シャーロック 年刊日本SF傑作選』大森望・日下三蔵編創元推理文庫『六花の印』連城三紀彦創元推理文庫『ねじまき片想い』柚木麻子創元推理文庫『悪女イヴ』ジェイムズ・ハドリー・チェイス創元SF文庫『巨神覚醒(上下)』シ...
C’est combien

菜時記 皐月/丙辰

統合失調症を発症していらい、人の大勢いる場所を恐れるようになった妻は、買い物に行くことも困難になった。だから僕は妻の代わりに一週間分の食料品や日常品を買うために週末、一人で買い物に出かける。妻はときおりこんなことを言う。「私のような人間と結...
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