histoire

フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?

なかなか身につまされる題名である。僕自身もフリーランスなので、他人事ではない。とはいえども、すでに40歳は越えて50代なので、とりあえず40歳の壁は乗り越えている。その点ではまあ一安心といいたいところだが、40歳の壁というのはあくまで壁の一...
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静かな炎天

前作『さよならの手口』で13年ぶりに復活、いや帰ってきた葉村晶シリーズの新作が出た。今回は短編集なのだが、もともと葉村晶シリーズは短編から始まったので短編だからどうのこうのということはまったくない。若竹七海というとコージーミステリ、つまり殺...
C’est combien

菜時記 水無月/戊寅

妻が統合失調症を発症し、入院し、そして退院後、一年半程は僕と一緒であればなんとか買い物に出かけることができた。しかし次第に、人目が気になりはじめ、買い物に出かけることが困難になってしまった。だからそれ以降は僕が日用雑貨を含め一週間分の食料を...
histoire

先生とわたしのお弁当 

ここしばらくはファンタジー寄りの物語を書いていた田代裕彦の新作。角川文庫から復刊した『平井骸惚此中ニ有リ』も全五巻全部復刊するかと思いきやあまり売れ行きが芳しくなかったようで一巻のみで終わってしまい悲しいものがあったが、それでも一年に一作ペ...
Vie simple

18禁

18禁というものがある。18歳未満は禁止というものだ。ということなので19歳ならばこの制限にはかからない。僕の知っている範囲において、この18禁の制限がかかるものは「見る」という行為においてだけだ。五感の中でいえば視覚にあたる。では他の感覚...
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パンドラの少女

一人の少女の視点で物語がはじまるのだが、少女が語る少女の日常の様子は異様である。牢獄のような部屋に入れられ、毎日決まった時間に兵士がやってきて車椅子に手足を固定され、頭も椅子に固定され、教室へと連れて行かれる。そこで授業が行われるのだが、そ...
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僕のジョバンニ 2

前巻の終わりが衝撃的な終わり方だったので、二巻ではどういう展開になるのかと期待していたのだが、まあそりゃそうなるだろうなという展開だった。一色まことの『ピアノの森』が天才側から描いた物語であるのに対して、『僕のジョバンニ』は秀才側から描いた...
C’est combien

菜時記 水無月/辛未

妻が統合失調症を発症し、入院し、そして退院後、一年半程は僕と一緒であればなんとか買い物に出かけることができた。しかし次第に、人目が気になりはじめ、買い物に出かけることが困難になってしまった。だからそれ以降は僕が日用雑貨を含め一週間分の食料を...
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ナイルパーチの女子会 柚木麻子

共感できそうもない人物ばかりを登場させて、人と人とのつながりの物語を描いた話だ。主人公は二人の女性。一人は商社会社に勤める栄利子。もうひとりは人気ブロガーの主婦翔子。ともに同年代。一方的にブログを読んで共感しているだけの立場だった栄利子は翔...
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羊と鋼の森 宮下奈都

桜木紫乃の『ブルース』と柚木麻子の『ナイルパーチの女子会』と一緒に買ってしばらく積読にしたままだった。でさてそろそろ読もうかと思いこの三人のどれから読もうかと考えたところで一番重苦しそうな桜木紫乃の『ブルース』を読み、予想外に重苦しくなかっ...
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